43
路地の奥まった場所にある古い石階段を少し降りたところに流刑地はあった。お店の看板もなくて、その代わりに猫がいた。ずっとホラーが追いかけてきた猫だった。いつもならあ、猫だと思うくらいなんだけど、今日、ホラーが猫を追いかけたのはその猫がどうやら怪我をしているように見えたからだった。(足を引きずっていたのだ)
背中に星の模様のある黒猫は流刑地の木の扉の横にある樽の上で丸まっていた。そこがいつものこの子の居場所なのだろうとその安心している猫の顔を見てホラーは思った。(ホラーが石の階段を降りてすぐ近くまで行っても猫は怖がったり、逃げたりしなかった)
看板がないのにホラーがこのお店が(あるいはこの古い扉の先にある空間が)骨売りのお店であるとわかったのは、骨が飾ってあったからだ。それもすごく質の高い、芸術品のような骨ばかりが並んでいた。(ホラーは思わず、猫よりもその骨に目を奪われてしまったくらいだった)
そのガラスの向こう側に並んでいる骨の中には、いろんな種類の動物の骨に混ざって、ホラーが探している獣の頭蓋骨の骨もあった。でもその獣の頭蓋骨の骨はすごく素敵な(お金があれはすぐに買いたくなってしまうような)骨だったけど、今、ホラーが探している獣のお母さんの骨ではないように見えた。(運命的な出会いをこのお店に感じていたから、もしかして、と思ったのだけど、そのことを確認して、残念と思った)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます