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穴の中に入って影が見たものは銀色のカプセルの中でぐっすりと眠り続けているホラーの姿だった。影は眠っているホラーの姿を見て、一瞬、ホラーが死んでいるのではないかと思ってびっくりしたが、よく観察してみると、ホラーはきちんと呼吸をしていて、小さな寝息も立ててきた。
……よかった。影はほっとして胸を撫で下ろした。
それから一度深呼吸をして気持ちを切り替える。寝ているホラーの体を揺すって、彼女を夢の世界から現実の世界へと引き戻す作業をした。
ホラーはすぐに反応して、うっすらとまだ眠たそうな眼を開けた。
「……影? おはよう。もうお仕事の時間?」ホラーは言う。
「お帰りなさい、ホラー」呆れたような、ほっとしたような表情をしながら影が言った。
ホラーはカプセルの中で体を起こして大きなあくびをした。それからそっと影を見つめる。
「……私、いけないことしたのに、ちゃんとここまで迎えに来てくれたんだ。影は優しいね」とホラーが言う。
「ホラーは別になんのいけないこともしてないよ」
影はホラーに手を差し伸べる。
その手をとって、ホラーはカプセルの中から抜け出して大地の上に移動した。
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