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「ひな。あなたは一人じゃないよ。だって私が、この世界に生きているから」動かないひなの手をとって、お母さんが言う。
お母さんは真っ白なひなの部屋の中にいる。
そこで椅子に座っているひなの手をとって、その小さな手を自分の頬に当てながら、床の上に寝そべって、ひなの体に寄り添うようにして、ずっと長い時間、そのままの体勢でぼんやりといろんなことを考えていた。
幸せ。
安心。
愛。……他者。
他人。
世界。……構築。
自我。
幽霊。
冬眠。……それは長い眠り。
前世の記憶。
来世での出来事。
記憶の断絶。
心。……魂。
出会うこと。
理解すること。
いつかどこかで出会った人。
お話すること。
あなたのこと。
ひなのこと。
……そして、自分、自身のこと。
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