25
「ふぁ~ぁ」
ホラーの隣でひながあくびをする。
その声でホラーはうっすらと目を覚ます。
それからホラーはひなを見る。
「なんだかとっても眠たいの」眠たい目をこすりながら、ひなが言った。
そんなひなの行動を見て、ホラーは笑う。
「眠ってもいいよ」ホラーが言う。
「あとでちゃんとキスをして、起こしてあげるからさ」
「本当?」ひなが言う。
「本当」ホラーが言う。
ひなは嬉しそうに笑ったが、でも結局、ひなは眠らなかった。
頑張って歩いて、歩いて、そしてずっと眠らないでホラーのそばにいてくれた。
それからひなが話してくれたことを頭の中で咀嚼した。
死者は蘇らない。
ひなの言うことはその通りだとホラーは思った。
だって人は神様ではないのだから。
「ホラーさん」
「なに?」
「ホラーさんは最近、どんな夢を見ますか?」ひなが質問する。
「内緒」間髪入れずに、ホラーが答える。
ひなは不満そうな顔をする。
愛らしい顔。
愛が世界を包み込んでいる。
膨れているひなの顔を見てホラーはそんなことを思った。
「ねえひなちゃん」
「なんですか?」ひなが言う。
「私さ、やっぱりきちんと家に帰ろうとおもんだ」静かな声でホラーが言った。
ホラーの言葉を聞いて、にっこりとひなは笑う。
「ええ、そうですね。それがいいと思います」
「本当?」
「はい。本当です。その答えには花まるをあげちゃいます」ひながそう言って、にっこりとホラーが笑った。
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