「なんだか眠れない」

 ホラーは白いベットの中にいる。固いベットに薄い毛布。(柔らかいベットの上で、ふかふかの洗い立ての毛布にくるまって眠りたいなと思う)

「なにかお話でもする?」

 同じベットの中にいる影が言った。

「する」

 寝返りを打って影を見てホラーは言う。

「どんなお話をする?」

「地上のお話」

「そう言うと思った」

 影は笑う。(ホラーはむっとする)

 ホラーは真っ白な少し大きめの寝巻きを着ている。フリルのついた(お気に入りの)可愛らしい寝巻きだ。

「寒い」

「いつものことじゃん」

「今日は本当に寒いの」

 影はホラーのひたいに手をあてる。

「少し熱があるかな?」

 影は自分のひたいにも手をあてて体温を確かめる。

「お仕事はお休みして、明日はベットの中でこのままずっと眠る?」

「大丈夫。寝ればなんとかなる」上目遣いで毛布から顔を上半分だけ出してホラーは言った。

「ホラー。あなたはよく頑張ってる」

「……ありがとう」

 泣きながらホラーは言った。

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