社畜、朝食を作る
閉め切ったカーテンとカーテンの隙間から朝日の陽光が降り注ぎ、雀の囀りが聞こえる。
時刻は午前8時。昨日は新沙を寝かせた後、自分も寝支度をしてソファで寝た。
ぼーっとしている頭を叩き起し、目を覚ますべく洗面所へ向かう。
洗面台の前に立ちながら水栓を調節し、程よい温度にして顔を濡らす。
「あ〜気持ち〜」
水栓を閉め、タオルで優しく顔を拭いていく。そこでふと視界に入った鏡に映った自分の顔…にある目の下の隈を見つめる。
かなり薄くなったな。一生消えないかもとか思ってたけど…やっぱ寝れば治るんだなぁ。
そんなことを思いながら、もう1人…俺の家に居たことを思い出す。
そう、俺のベットで快眠しているであろう新沙だ。
こんなことしちゃいられない……今日こそは帰ってもらわねば!
新沙が寝ている寝室の扉を勢いよく開き、ズカズカと入り込んでいく。
案の定気持ちの良さそうな寝息を立てながら寝ている新沙。
ベットの傍らに屈み、新沙の小さい肩を揺さぶる。
しかし新沙の反応はただ小さく呻くだけで、一向に起きる気配がない。
「おい、起きろ新沙。朝だぞ」
新沙にそう話し掛けてみるも、返ってくるのは、先程と同様小さい呻き声だけ。
こんな状態の新沙にいつまでも構ってはいられないので寝室を後にして、朝食を作るためにキッチンへ向かう。
アイテムボックスから何時買ったか分からない卵を取り出し、油を敷いて熱しておいたフライパンに投入する。
ついでにこれまたいつ買ったか分からないソーセージと食パンをオーブンで焼いて……
「お手軽朝食かんせーい」
皿に綺麗に盛り付けられた朝食を机に2皿運ぶ。
ついでに入れたコーヒーを片手にテレビで朝のニュースを見ながら一息つく。
……優雅すぎる。やはり休みという物は最高だ。
改めて狗柳ギルドがクソだったと実感出来る。
朝食を食べ終わり、締めに生温くなったコーヒーを一気飲みする。
「さてと、朝食も食ったし……行くか、服を買いに」
そう、俺は私服を持っていないのだ。一応あると言えばアイテムボックス内にある。しかしどれも小さくて着れたもんじゃない…だから今日は服を買いに行くのだ。
スーツでも良いだろと思うだろうが、俺だって普通にオシャレしたい。それにオシャレしながら霧世さんが褒めてくれた顔で雑談配信とかしたらリスナーが増えるんじゃないか…という邪な考えもあったりする。
アイテムボックスからスーツを取り出して着用し、机に置かれているもう1つの朝食の横に置き手紙を書いておく。
「『起きたらこれ食べろ』っと、よし。それじゃあ行ってきます」
私服を買いに行くとは思えないような格好で、俺は都心へ向かった。
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えちょまです。
ほのぼの回みたいなもんだよ。
ちょっとネタばらし…服買いに行ったけどハプニングがっ!
また2時頃にあげるね。
それじゃ
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