???side

『今日の配信はここまでです。ご視聴ありがとうございました』


 画面に配信終了の文字が映るパソコン画面を確認し、椅子の背もたれに寄り掛かる。

 高校時代に見た、あの人あたりが良さそうだと感じさせる貼り付けたような笑顔。

 その裏にある深い絶望に染まった眼。


「君の眼はあの頃から変わってないなぁ」


 昔より隠すのは上手くなっているけど…私には隠せられないよ、ゆーくん。だって私達は……同類なんだから。


 私は彼…優希と出会ったあの日のことを思い出す。


 いつものように校舎裏へ呼ばれてイジメを受けていたあの日、私の目の前に一人の男が現れた。その男は成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能の高橋優希だった。彼は私の状況を見て心配そうに話しかけてきたが…それに怯えて肩を震わしたのはいい思い出だ。

 怯えていた私を落ち着かせるために優しい口調で諭し、何があったのかを聞いてきた。

 その優しい口調に安心し、私は自分の身に起こったことを全て話した。

 しかし話していく内に彼の顔はどんどん険しくなっていき……最後には、いつもの様な爽やかな顔ではなく私と同じ眼をした能面のような顔がそこにあった。


 そして私は感じたのだ、あぁ、この人は同類だと。

 そう思った瞬間に思わず笑い声が出てしまった。その笑い声が癪に障ったのかこちらをイラついた表情で見てくるが、そんなのお構い無しに立ち上がって、優希の方を向き同類宣言をした。


 今思えばあれは運命だったのかもしれない。


 天涯孤独になった私達に残ったのは深い絶望だけ。生きる理由もなく淡々と今を生きていて、生きる理由を見出せない。それが私たち。そんな私たちを憐れんだのか、神様が用意してくれた運命。


 でも私達は離れ離れになってしまった。私の意味不明のジョブが異例の年齢で覚醒したから…でも、もうすぐ会える♪

 ……けど、もうすぐじゃ長すぎるなぁ。


 あぁ、会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい


「………待っててね、ゆーくん♡」





 ------------

 えちょまです

 誰なのかなぁ

 それじゃ



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る