社畜、配信する 前編

 翌日、俺はまたもや本社へ呼ばれて社長室で霧世さんと対面していた。

 霧世さんが俺の顔をジロジロ見て呟く。


「邪魔な前髪が消えて雰囲気が良くなったじゃないか 。オマケに美形ときた…配信者にうってつけだな」

「ありがとうございます。ところで、今日の配信はどのような感じで?」


 感謝の言葉を述べ、今日の配信について聞く。


「今回の配信は九条ギルドのDTubeアカウントで配信をして、その後に高橋自身のアカウントへ移動して配信を続けると言った流れだ」

「分かりました」


 DTube。ダンジョン攻略や探索を配信する世界規模の動画視聴サイトだ。

 今回はそこで配信するらしいが、上手くできるか心配だ。


 そんな俺を察したのか霧世さんが声を掛けてくる。


「配信は出来るだけ我々が補助する。それと…えーと、どこいったっけ?…ああ、あったあった、受け取れ」


 さっきまで威厳ある雰囲気を纏っていたのに決まらないなぁと思いながら霧世さんが渡してきた物を見る。

 チャックの付いた黒い袋、中には何かが入っている感触がした。


「これ、開けてみても?」

「いいぞ。開けたついでに着てみろ」


 了承を得て袋を開け、取り出してみると…九条ギルドのロゴが刺繍がされたスーツが入っていた。

 着てみろと言われたので、既に着ているスーツを脱いで腕を通す。


 …凄いな。まるでスーツが俺に合わせているかのように動きやすく、戦闘中も邪魔にならない…かなり高性能だ。


 驚いている俺を見て、霧世さんが嬉しいそうな顔をしながら話しかけて来る。


「気に入ったみたいだな。それじゃあ、早速配信しようか。設定はこちらが事前にしてある」

「はい…」

「何だ、緊張しているのか?あまり気負うな。お前なら出来るさ」

「はは…よしっ!」


 緊張を無くすために両頬を叩く。



 こうして俺は配信に臨んだ。



 --------------

 えちょまです

 少し休みます

 それじゃ



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る