第3話 呪いの人形

 私は呪いの人形。あなたを呪うためにやってきた。見て、私のこの美しい黒髪。この黒髪に念を込める。踵まで伸びた時、呪いは完成する。

 切っても無駄よ。私が死なない限り髪は伸び続ける。でも私は人形。絶対死なないの。あなたはこの呪いから逃げられないわ、あら残念。


 突然その男は、私の髪を鷲掴み、力いっぱい髪を引っこ抜き始めた。抵抗むなしく最後の一本が床へと落ちる。男がニヤリと笑う。

「伸ばせるもんなら伸ばしてみな」

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