第三章 5
(廊下、ポローニアスのみ)
ポローニアス ははは、ハーッハッハ、(魔女の声で)イーッヒッヒ、愉快なことじゃわい。あの猿芝居、まったく当てこすりの、精一杯の嫌味のつもりだったらしいがのう。見るに堪えない猿回しのボンクラ王子、中断して撤収させてやったわ。
ついでに毒の霧まで吸わせてやったわい。何しろ、イモリの腸と、みみずの絞り汁と、ガマガエルの皮と、ムカデの足と、蝙蝠の目ん玉と、ついでに猿の脳みそまで煮込んで作った魔法の粉じゃからの。
あれを吸いこめば、いずれ心の向きが正反対にひっくり返って、意志が太く、感情の矢印が強ければ強いほど、ひっくり返った時も効果が続くものじゃ。
まともに吸い込んだのが運の尽き、あの大猿、火の玉みたいに単純な頭だけに効果は覿面じゃわいのう。
おまけに、こっちへ吹き返したところで、作った当人には効かないものなんじゃ。
これが喜ばずにいられようか。イーッヒッヒ、こりゃ笑いが止まらんわ。
(背後から足音)
ポローニアス ん、誰か?
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