第三章 3

  (謁見の間、クローディアスとガートルード、ポローニアスがいる)


クローディアス  まったくあれは何という奴だ、どういうつもりだ。

ポローニアス   実に怪しからん男ですな。

クローディアス  こちらを睨みつけておったぞ。明らかに、悪意を持っている。

ポローニアス   何を考えておるのやら、見当もつきかねます。

クローディアス  しかし中断にしてくれて助かったぞ、ポローニアス。

ガートルード   本当にありがたいわ。

ポローニアス   イーッヒッヒ、あの動物劇団とやら、目障りなのでさっさと撤収させて、街へ引っ返させてやりましょう。それがこの城のため。

クローディアス  それにしても、問題はやはりあの男なのだ。

ポローニアス   まあ、実に悪運の強そうな、先ほども変な大猿が身代わりのようになりやがって。

クローディアス  城内はおろか、国内でもそう簡単に事を運ぶのは難しい。一刻も早く、イギリスにでも送るべきだろう。快速船にでも縛りつけて、できることなら世界の果ての、さらに遠い国に送りたい。

ポローニアス  ここへ呼びつけて、お話されてみては?

ガートルード  あの子が素直に何でも話すくらいなら、誰も苦労しやしません。

クローディアス  やはり手紙を持たせて、国外へ挨拶という名目で送るのがいいだろうな。お伴をつけて、二度とデンマークの地を踏ませないように。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る