第二章 4

 顔なじみの劇団の者が数名、謁見の間にいるハムレットに挨拶をします。

「ハムレット殿、ここにおられましたか」

「たった今、到着したところでございます」

 ハムレットは笑顔を見せて、

「ご苦労だった、明日はよろしく頼むぞ」

 と応じます。

「聞くところによれば、動物の扮装をしたおかしな団員が人気を博しているとか」

「ええ、その通りで。大猿と大豚の掛け合いが大人気となってございます」

「では、明日はその演目と、それから今、思いついたのだが、少しこちらの要望を聞いてほしいのだ」

「何なりと、お申しつけ下さい」

「新しい王の前で、久しぶりに皆があっと驚くような趣向を用意している」

「ハムレット様のご指示とあれば、何なりと」

 この劇団とは幼少の頃から昵懇の間柄でしたから、ハムレットの要望であれば快く受け入れてくれるのでした。


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