第25曲 Rヲタクはサオ縛りのライヴの夢を見るか?:ReoNa〈SAO〉ゾーン
五周年の締めくくりとして、九都市・十一公演行われてきた今回のライヴ・ツアーでは、第三ブロックまで終わった後の〈MC〉において、感情の赴くままに音〈楽〉を楽しむように、ReoNaさんが観客に対して立つ事を促す。すると、それまで着座を推奨されていた観客は、満を持して、隠していた感情を爆発させる、というのが今回のツアーのパターンになっており、その、最後の第四ブロックは以下の四曲によって構成されていた。
〈ラスト・ブロック〉
14「Weaker」
15「VITA」
16「ANIMA」
17「じゃあな」
第一ブロックの平均BPMは約〈一一〇〉、第二ブロックの平均BPMは約〈八〇〉、これらに対して、最後のブロックは、「Weaker」が〈一七三〉、「VITA」が〈一八五〉、「ANIMA」が〈一九三〉といったように、圧倒的なまでにテンポが速い。
もし仮に、こうしたBPMの曲を、椅子の上にお尻を付けたまま聴かねばならなかったとしたら、それは一体何の苦行、と問い質したくなっていた事であろう。
さて、このブロック最初の曲、「Weaker」は、東京の新宿・歌舞伎町の「ダンジョン攻略体験施設 THE TOKYO MATRIX」でプレイできる『ソードアート・オンライン ―アノマリー・クエスト―』の主題歌で、その作詞と作曲は、「LIVE LAB.」の〈ハヤシケイ〉さん、編曲は、「PENGUIN RESEARCH」のベーシスト〈堀江晶太〉さんである。
そして第二ブロック二曲目の「VITA」は、家庭用ゲーム『ソードアート・オンライン Last Recollection』の主題歌で、作詞と作曲は、同じく「LIVE LAB.」の〈毛蟹〉さん、そして編曲は、ReoNaバンドのバンマスである〈荒幡亮平〉さんである。
次の三曲目の「ANIMA」は、三枚目のシングルにして、ReoNaさんが初めてアニメのOPを務めた、TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」第二クールのテーマ曲で、作詞も作曲も、さらには編曲も、「VITA」と同じ〈毛蟹〉さんである。
今回のツアーにおける各ライヴの最後に置かれたスタンディング・ゾーンの平均BPMは約〈一八五〉、これは、スロー・バラード中心であったセカンド・ゾーンの二倍以上も速いテンポである。
ところで、作詞・作曲に携わっている「LIVE LAB.」の〈毛蟹〉さんと〈ハヤシケイ〉さんは、ReaNaさんが、この名でデビューする前に、TVアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』(以下、『GGO』)と略記)において、劇中のシンガー「神崎エルザ」として歌唱した全ての曲に、何らかの形で携わっている二人であり、つまるところ、 『GGO』の劇中歌において「神崎エルザ」のアヴァターとして歌唱していたReoNaさんの歌声に惹かれて、エルザ、さらには、ReoNaの歌を聴くようになったヲタクにとっては、毛蟹さんとハヤシケイさんは信頼のおける御二方なのである。
そして、これら、アップテンポの激しい三曲は、体験型イヴェント、ゲーム、TVアニメとジャンルこそ違えど、全て『SAO』関連の曲で、ReoNaさん自身、件のラスト・ブロックに入る直前に、これから始まる最後のブロックが『SAO』のゾーンである事を言及しさえしていた。
再確認になるが、デビュー曲から年代順に歌っていた最初のゾーンと、第二のブロックの挿入歌のゾーンにおいても、ReoNaさんは『SAO』の曲を歌唱しており、つまり、ライヴを織り成す十七曲のうち、『SAO』の曲が約三分の一を占めていた分けだ。
実は、例えば、「Scar/let」という、家庭用ゲーム「ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス」のテーマ曲もあって、ここにさらに、エルザとして歌唱している『GGO』関連のアルバム曲も含めると、『GGO』と『SAO』の曲縛りだけで、おそらく一本のライヴができてしまう事であろう。
ライヴのラスト・ゾーンにおいて、いつものようにヘドバンをしたりジャンプを繰り返したしていた書き手は汗だくになりながら、最終公演地であった、ReoNaさんのルーツでもある鹿児島のライヴ・ハウスにて、自身十回目となる〈SAO〉ゾーンを楽しみながら、いつの日にか、サム・デイ、『SAO』縛りのライヴに参加できる日を夢見るのであった。
〈ツアー日時・場所一覧〉
01:五月十八日、埼玉県・戸田一日目:不参加
02:五月十九日、埼玉県・戸田二日目
03:六月八日、大阪府・大阪市一日目
04:六月九日、大阪府・大阪市二日目
05:六月十五日、広島県・広島市
06:六月十六日、香川県・高松市
07:六月二十一日、宮城県・仙台市
08:六月二十三日、北海道・札幌祖
09:七月六日、愛知・名古屋市
10:七月十四日、福岡県・福岡市
11:七月十五日、鹿児島・鹿児島市
〈参考資料〉
〈WEB〉二〇二四年七月三十一日閲覧
『TVアニメ「ソードアート・オンライン」オフィシャルサイト』
「ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト」、『THE TOKYO MATRIX』
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