二〇二四年・春クール

第06曲 TVアニメ冒頭のオープニング:特別仕様の第一話

 二〇二四年放映開始のアニメ作品をまとめたサイトを参照してみたところ、二〇二四年冬に放映が開始されたツークール・アニメは〈八〉作品、そして、春に放映が開始されたアニメは〈七二〉作品、つまり、今年の春期に放映される作品は、計〈八〇〉作品になり、単純計算で、テーマ・ソングの数は〈一六〇〉曲にも上る事になろう。


 四月十日・水曜日・正午現在、四月期放映作品のうち、未だ第一話が放映されていないのは約二〇作品で、翻って見てみると、四月期のアニメの七割五分は、すでに第一話の放映を終えている。

 これら約六〇の既放映作品のうち、どれでもかまわない、数作品を視聴してみれば、誰でも即座に気付くにちがいないのだが、非常に多くの作品の第一話では、テーマ・ソングが特別仕様になっている。


 そうした特別仕様の第一話の冒頭部では、テーマ・ソング無しで物語が開始され、第一話の最後においてのみ、テーマ・ソングが置かれている。そして、その第一話のエンディング・ソングになっているのは、多くの場合、第二話以降におけるオープニング・ソングなのだ。


 つまり、通常のオープニングが、第一話においてのみエンディングとして採用されている、という点において特別仕様なのだが、こうした曲の配置のみならず、第一話では、バックに流れるアニメ・ムービーも通常とは異なる物になっているケースが多い。


 それにしても、何ゆえに、第一話においてのみ、通常OPが最後に置かれ、特別ヴァージョンになっているのであろうか。


 第一話の冒頭部においてテーマ・ソングが省かれているのは、作品にとって重要な「序」となる第一話に、少しでも多くのシーンを盛り込もうとした結果であるようにも思われる。

 しかしそれならば、第一話の最後に流れるテーマ・ソングはEDであってもよいはずだ。

 

 ここで思い起こしたいのは、TVアニメの各話一般においては、まず最初に、イントロになるような短い物語が置かれ、しかる後にOPが流れ、それから、物語の続きが始まる、という構成になっている点だ。


 つまり、作品全体を一つの〈話〉とみなした場合、冒頭のテーマ曲無しの第一話が、各話におけるOP前の短い話に相当し、第一話のエンディングに流れるテーマ曲は、作品それ自体のオープニング・ソングになっているようにも思われる。

 このように考えた結果、第一話の最後に作品のOPが流れるのに納得がゆく書き手であった。


〈参考資料〉

〈WEB〉

 「2024冬アニメまとめ一覧|1月放送開始 新作アニメ・再放送アニメ情報」「2024春アニメまとめ一覧|4月放送開始 新作アニメ・再放送アニメ情報」、『アニメイトタイムズ』、二〇二四年四月十日閲覧。

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