第07曲 両方聴くには第二話まで待たねばならない分け:特別仕様の第一話の割合

 なるほど確かに、書き手の感覚では、第一話がオープニング・テーマ(OP)無しのアニメが多いように思えているのだが、実際はどの程度の作品がそうなっているのか、今期、二〇二四年春クールに放映が開始された作品を対象に調べてみたい。

 だが、四月十七日現在において、その全てを確認した分けではないので、コーパスとしては不完全なのだが、とりあえず、アニメのサブスクで視聴できる〈四〇〉作品の第一話を視聴してみた。


 通常の話においては、冒頭にイントロとなる短い物語があって、その後、OPがあり、OPの後に本編、本編終了後にエンディング・テーマ(ED)、EDの後にエピローグとしての短い話が入る、そのような構成になっている。中には、OP前やED後のショート・ストーリーが無いアニメもあるが、いずれにせよ、ここでは、OPとED、両方のテーマ曲によって本編が囲われているケースを、〈通常オープニング〉と呼ぶ事にしたい。


 これに対して、エピソードの冒頭にOPを置かず、いきなり物語本編が始まるような場合を、ここでは〈特殊オープニング〉と呼ぶ事にしよう。


 要するに、冒頭にテーマ曲の有る無しを基準に、構成を大きく二分した次第なのだが、確認した四〇作品中、〈通常〉が〈二二〉、〈特別〉が〈一八〉という結果であった。調べてみる前は、特別構成の作品がもっと多いような印象だったのだが、割合がほぼイーヴンなのは実は意外であった。思うに、特別構成は、インパクトがある分、書き手も含めた視聴者に強く印象付けられているのが、〈特別〉の方が多いように感じられた原因なのかもしれない。


 ちなみに、こうしたOP無しの特別構成は、第一話のみに認められるものではなく、例えば、数話から構成される、ある程度まとまりのあるエピソードのクライマックスとなる〈話〉においても確認できるので、こうした構成を制作者側が為すのは、OP分の約九十秒を物語内容に当てたいが為なのかもしれない。


 結局、OPの有る無しの第一話の構成意図は制作サイドにインタビューしてみなければ明らかにならない分けなのだが、いずれにせよ、今期放映中のアニメ作品の約半数のOPとEDの両方を聴くには、第二話まで待たねばならない事だけは確かな事実なのである。


〈参考資料〉

〈WEB〉

 「2024春アニメまとめ一覧|4月放送開始 新作アニメ・再放送アニメ情報」、『アニメイトタイムズ』、二〇二四年四月十七日閲覧。


〈アニメのサブスク〉

 『バンダイチャンネル』、運営者: バンダイナムコフィルムワークス

 『Amazonプライム』、運営者:Amazon

 『ABEMA(アベマ)』、運営者:株式会社AbemaTV

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