第12話


好きで好きで仕方がないのに、

電話しても出てくれないことなんかなかったのに。



「心を休めたいから、もう電話には出られない。」


悪魔に乗り移られた私は、彼にどんな酷い言葉を浴びせてしまったのだろう。

あんなにも優しい彼の、あんなにも優しい、天使みたいな見た目のこと、変なのって笑っちゃったのかな。



もうこわい。

自分が怖い。


宇宙で一番素敵な人だった。

土下座してでも、謝りに行きたい。

なのに彼は私の住む愛知にはいない。


遠く離れた、千葉の国にいる。



夢と魔法の国にいる。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る