第10話


酷い話だ。



「僕と君は本当に相容れないよね。」



ついさっき、同じ絵を見て感動していたはずなのに、なんてひどいことをいうんだ。


もう泣き喚いてしまいたかった。



「何が相容れないって、?」



この時点で私の心はもう跡形もなかった。


こんなにも愛しているのに、愛しすぎてつい裸の心でいたせいで、こんなにも容易く傷付けられてしまった。



「金銭感覚とか、真逆でしょう。」



信じられなかった。

私がこの世で一番言われたくない台詞だった。



「私は誰にでもこんな風にお金を払ったりしない」



何を言っても無理だと思った。わかってた、ぜんぶぜんぶわかってた。



「誰にでも奢るわけじゃない、誰とでも食後のコーヒーを勧めるわけじゃない。」



あなたのために頼んだ

ほわいとなんとか、返してよ。



White Flat



そんな名前だった。



雪は溶けなかった。








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