第9話
今ココでレモン味のチーズケーキを食べたらスーツな女性に怒られる気がしたから、仕方なくいちご味のハンドクリームを塗った。
色が足りなかったから。
でも、秋の入り口という絵は好きだったかもしれなかった。私はほら、秋生まれだから。
相変わらず人は左から右へ流れてゆく。
全部見れる人って、やっぱりすごいかも。
私には情報が多すぎて、特に人の顔を描いた絵は、心がぐるんぐるんになる。
目を見たくない。
ああちょうど、昨日読んだ自閉症の特徴ってやつだ。
言葉なんかで私の人間性を説明した気になるな、と怒鳴りたくなるけど、そんなことしたらもっと嫌われて、閉鎖病棟行きなのだ。
私は世界をこんなにも愛しているのに、私だけは世界に愛されないままだ。
いっそのことみんなの記憶から消えてしまいたい。いなかったことにして、遠く離れた別の島国でのびやかに暮らしてみたい。
お金のことなんて、後で考えればいいのにね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます