~あとがき部屋~
シャノン「ん? この白い部屋にテーブルの上の紙……もしかして……」
アールグレイ「彼女達の言っていた謎の部屋ってことだろうね」
シャノン「とりあえず、そこの紙を読んでみるか。えーと、〝……チッ、もう内容知れ渡ってんのかよ。つまんねーな〟。……なんかいきなり悪態つかれたんだが?」
アールグレイ「えぇと、あなたは作者のどちらかだとお見受けします。折角のサプライズを無碍にしてしまい申し訳ありません」
シャノン「〝……まぁいいだろう〟だってさ。〝知っての通り、このあとがき部屋では君達に好きなように話してもらう。読者に教えたいことでもなんでもいい。その中で気になる要素は聞けば答えてやろう〟……なんか上から目線だな」
アールグレイ「まぁまぁ……とりあえず何を話そうか」
シャノン「そうだな。俺達二人なら、妖精についてとかいいんじゃないか?」
アールグレイ「そうしようか。じゃあ、まずは僕達の国について。第一話で自己紹介した時に〝カミュエルスト第三王国〟って言ったと思うけど、僕達の国以外にもカミュエルスト王国は四つあり、合わせて五つの王国で天界と人間界を守っているんだ」
シャノン「カミュエルストっていうのは、天使カマエルから取られた名前で、この名前を与えられた王国は人々を魔族から守る役目と誇りを与えられている」
アールグレイ「それぞれの国でも妖精の姿は異なっていて、第一王国は兎、第二王国は鳥、第三王国は猫、第四王国は狼、第五王国は羊なんだ。他にも小国があり、その国々で妖精の姿も文化も異なるから、結構面白いよ。海の生き物の国もあったね」
シャノン「あぁ、お忍びで行ったこともあったよな。特に海の小国は綺麗だったし、食事も一風変わってて面白かった」
アールグレイ「あの時お忍びがバレて、三人揃って大目玉食らったよね」
シャノン「あったあった! それぞれに、一週間にわたる課題を言い渡された時はキツかったなぁ……」
アールグレイ「あはは、そうだったねぇ〜。えーと、あとは……生まれ持つ固有魔法についても話す?」
シャノン「そうするか。えーと、妖精は生まれた時に固有魔法と呼ばれるギフトを賜るんだ。固有魔法は基本遺伝しないものだから、俺は鑑定魔法持ちだけど、父上は火炎操作持ちだからな」
アールグレイ「中にはすごく珍しい固有魔法を持った人もいるよ。例えば、本来は魔族が持ちやすい闇魔法を妖精が持っていたりするし、反対に魔族が光魔法を持っていることもある。ただ、ギフトはほぼランダムに決まるらしくて、変わった魔法が欲しくても思った通りにはいかないんだ」
シャノン「だけど、闇魔法持ちに対して、何かと言ってくる妖精は少なくないのが現状だな。王室の偏った規則や非人道的な取り組みとかは、曽お爺様の代で改められたものの、そういった考えまでは一掃できなかったんだよな」
アールグレイ「そうだね。僕の能力はあくまでサポート向きだし、全面に出ることは難しいのが悩みどころだ」
シャノン「そんなことを言ったら、俺の鑑定魔法なんて余計戦闘には向かないぞ」
アールグレイ「まぁでも、それぞれの能力を活かせる方法は無限にある。天界と人間界の守護を任された妖精として、自分に与えられた魔法をどう使うべきなのか、諦めずに探究していくことが大事なんだよね。結局」
シャノン「だな。壁にはその後ぶつかればいい」
アールグレイ「じゃあ、今日はこんなところかな?」
シャノン「そうだな。よくわからないが、氷咲に〝あとがきは二ページくらいに収めておけ。ページ数的にはそれくらいがジャストだ〟って言われてたし」
アールグレイ「それって……いわゆるメタ発言ってやつじゃないかな」
シャノン「あぁ……そうかもな……。というか、この話してる俺らもじゅうぶんメタいな……」
アールグレイ「うん、ここでスッパリと終わろう」
シャノン「よし、帰るか」
ウィッチ・ガールズB 水無月ハル @HaruMinaduki
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