最終話:悪は許さない。
その日クーニャンさんはスーパーに買い物に来ていた。
そしたら入り口付近でなにやら賑やかしく騒いでる音が聞こえてきた。
他のお客さんの悲鳴とか・・・。
ちょっとだけ気になったクーニャンさんは大根を持ったまま入り口に
入ってみると・・・なんとダークピーポーのやつらが店の中で暴れていた。
「が〜はっはっは・・・俺様はガガガンガーだあ」
「おまえら全員食っちゃうぞ〜」
なんだかスーパーのヒーローイベントみたいだ。
怖い形相の怪人が数人部下を引き連れて客に向かって偉そうに啖呵を切っていた。
「あんたたち迷惑あるよ」
「ん?なんだと?・・・だれだ?おまえ」
「おまえらみたいなアホなやつを許せない者あるよ」
「せっかくみんな平和に暮らしてるのに風紀を乱して・・・迷惑・迷惑・めいわく」
「迷惑あるよ」
「とっとと、いなくなってくれるある?」
「ほざくな、ばばあ」
「俺たちは今来たばかりだぞ、注意されたからってすぐに退散したらカッコ悪い
だろ」
「ばああじゃないわ・・・これでもまだ25歳だよ」
「うるさい・・・我々に逆らうと痛い目にあうぞ」
「よくあるセリフ」
「私に脅しは通じないあるよ、ボケ」
「やかましい!!」
そう言うとガガガンガーはクーニャンに向かって襲ってきた。
ガガガンガーの攻撃をなんなく避けたクーニャンは得意の回し蹴りを
ガガガンガーに食らわした。
強烈なクーニャンの蹴りを食らったもんだからガガガンガーの頭が胴体
からちぎれ飛んだ。
頭がなくなったガガガンガーはびっくりしてパニックになった。
「あわあわ・・・俺の頭・・・」
それを見たガガガンガーの部下たちはビビってガガガンガーを放って全員
逃げていった。
悪い奴の忠誠心なんてそんなもんだろう。
頭を失ったガガガンガーにクーニャンの必殺のとび蹴り。
とび蹴りを、まともに食らったガガガンガーの腹にでっかい穴が開いた。
「げげっ・・・・おまえ〜なんてことしてくれるんだ」
「バ〜カ・・・風通しがよくなったあるよ」
「くそ〜覚えてろよ・・・このままで済むと思うな・・・ばああ」
「ばばあじゃないって言ってるあるだ」
「学習能力のないやつあるね」
「おまえ、いったい誰だ?」
「私はパワフル・クーニャンだよ」
「帰っておまえの親玉に言っとけ・・・この月に私がいるかぎり、おまえら
に明日はない、って」
それ以来、クーニャンは次々現れるダーク・ピーポーの怪人と戦っていく
ことになるのだ。
最初はザコに近い怪人ばかりだったが、倒すたびにダーク・ピーポーもどんどん
強いヤツが現れるようになった。
そこでクーニャンは崑崙山に住んでる
のところに行って武器を借りてきた。
その武器は「
持っている魔除けの法具で、仏の力で煩悩を滅ぼす武器のひとつだ。
びよ〜んって棒状に伸びて、超強力な武器になるのだ。
例えると孫悟空の如意棒のような感じ?
敵はますます強くなる・・・クーちゃんは
操って戦った。
それにつれてクークーニャンもさらに強くなっていった。
日々ダーク・ピーポーと戦ってるクーニャンを見て、敬四郎は心配した。
「なにもクーニャンが戦わなくても・・・自衛隊とかに任せるとけば
いいんじゃないの?」
「大丈夫あるよ敬四郎・・・誰かが立ち上がらないとある」
「ヤツらの悪行を許しておいたら、つけあがる一方だから・・・」
「ホント言うとね・・・私楽しんでるあるよ」
「え〜あんなバケモン相手に戦ってるのに楽しいの?」
「うん、体の隅々が快感で震えてる、血が騒ぐあるよ」
「もしかしてクーニャン、どS?」
「かも・・・とにかくダーク・ピーポーに月から出てってもらうか、ごめん
なさいって、私の前で土下座するまでは、戦うから・・・」
「悪は絶対許さない」
「まあ、ほどほどにね・・・お店もあるんだから」
「そうだね、お店も繁盛させなきゃだわ」
ダーク・ピーポーも難なく月を支配できるとタカをくくっていたのに
クーニャンのせいで目論見が外れた。
こんなことなら月を放棄して地球へ行ったほうがいいんじゃないかと方針を
変え始めた。
地球に行って大暴れしようと思ったダーク・ピーポーだったが地球には
クーニャンの師匠「
目論見を断念せざるを得なくなった。
結局、何百年ぶりに地上に出てきたダーク・ピーポーのヤツらはラスボスが
出てくる前に幽老参人とクーニャンの強力な仙術でもって月の地下に封印された。
こうして月に平和が戻ってきた。
なんと言ってもクーニャンのことを心配していた敬四郎が一番安堵した。
「悪は絶対許さないか・・・僕の彼女は宇宙一最強だな」
なわけで今日もクーニャンは何事もなかったように「三蔵法師」でお客に愛想を
ふりまいていた。
おっしまい。
♡ クーニャンさんの恋するレシピ ♡ (からのお月さま編) 猫野 尻尾 @amanotenshi
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