カラフルコラム〜いじめられた仲間は立ち向かう!〜

星尾月夜

第1話 アイドル

「バーカw wお前なんて、アイドルに向いてねえよw w」

「うう………」

メインアイドルの佐藤夢愛は、その「イジメ」にまだ気がついていない。それはアイドル内で起こる、佐藤夢愛の知らない世界だった。

「♪でも君は〜私を裏切る〜それでも私は〜君が好き〜♪」

今日のライブも、大成功だった。アイドルグループ・カラフルコラムの十七人が、とても素晴らしい歌を披露して、みんなを盛り上げるのだ。

「みんな〜!今日もありがとう〜!」

メインアイドルの佐藤夢愛は、カラフルコラムの代表として、手を振りながら笑顔で言った。

「では、観客の皆様はお帰りください。今度のライブでも、お待ちしております。」

マイクを持ったアナウンサーの人がみんなに言い聞かせる。ドームの中にいる人がみんないなくなった後、カラフルコラムの十七人は地下室へ向かった。

「みんな〜、お疲れ様っっ!!ライブ、良かったよぉ〜!」

佐藤夢愛の言葉に、みんなにっこり笑顔になる。カラフルコラムのメンバーは、みんなメインアイドルの佐藤夢愛のことを尊敬している。可愛くて、優しくて…。みんな思っていることだ。佐藤夢愛の知らない、「イジメ」をされている側も、「イジメ」をしている側もみんな佐藤夢愛が大好き。もちろん、カラフルコラムのファンはほとんど佐藤夢愛のファンだ。

「じゃあ、帰ろ〜!あ、美桜と咲夜はあそこの準備をしてくれる?」

「はいっ、夢愛様!」

「もう、様はいらないからぁ!」

「夢愛様は可愛いし優しいです。なので様をつけないと気が済まないのです。」

「敬語もいらないよぉ〜!仲が良いアイドルでしょ〜?」と言う佐藤夢愛を前にして、美桜といういじめっ子は咲夜といういじめられっ子を軽くにらんだ。咲夜は小さい肩をビクッと震わせた。何も知らない佐藤夢愛は、首を傾げるばかりだった。

「じゃあ、私は帰ってるね〜!じゃあ、次のライブもよろしく〜!」

メンバーに手を振った後、佐藤夢愛は地下室を去っていった。

「ねえさぁ、何でお前アイドルやめないの?」

「そうそう。一緒にいると疲れるんだよね〜。夢愛様みたいな存在にあなたみたいな存在は違いすぎるよ〜。」

「一緒に歌ってるなんて信じられない。」

「ううっっっっっ、アイドルなんかやめないもん……。」

いじめられっ子の咲夜は、佐藤夢愛以外のメンバー全員にいじめられている。悪口、暴力……。咲夜の歌える気力は、無くなっていく。

「何でやめないの?やめないのなら……………………美奈。」

「うん、美桜。咲夜ほら、私たちが出してやるよw w wほら、アイドル辞退届け。名前はもう書いてあるから、私が出したらすぐにあなたは辞退できるよ?いつ出そうかなー?」

「今日出せば?見ると虫唾が走るんだよねー。」

美奈は、アイドル辞退届けを衣装から取り出して、昨夜の前にかざした。

「ねえ…………………、この太い紐、あなたの首に巻きつけたらどうなるかな……?」

「あっっっ、やっっ、やめてッッッッ………」

いじめっ子たちは昨夜の言っていることなど気にしもしない。

「じゃあ、絞めまーす!さーん」

「やっやめて…」

いじめっ子たちはカウントダウンを始める。その間に紐を首に巻きつけた。

「にーい」

「いーち」

咲夜は目をつぶった。

「ゼーロ、ギュッとー!

「うっっっっ………………」

咲夜は締められた首に手を当てた。

「何泣いてるんだよ?まあ、その顔がつぶれてファンなんかできなくなればいいねw w wまあ元々あなたなんかのファンはいないでしょうけどね。」

そう言っていじめっ子たちは咲夜の頭を足でごついた。

「死ーね♪死ーね♪死ーね♪」

美桜は棒を取り出してその棒を咲夜の顔に打ちつけた。

「うぐっ……」

「どっ………、ええっ?どうしたの?何をしているの?」

「なっ…!」

そこに、ある人物が立っていた。そこから、いじめの対策を考えていくだろう。

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カラフルコラム〜いじめられた仲間は立ち向かう!〜 星尾月夜 @yyamaguchi

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