第7話 あたしはメリ三。よろしく……あ? なんだって?
あたしはメリ
本当はメリーさん、だけど、この間
で、それはそれとして。
「何言ってるのかわかんねぇよ」
「ふいずっと?」
「あー、名前? 名前だな? 電話を
「あたしはメリ三だ!」
「そう、メリ三だよ、メリ三」
「え、あ、切りやがった」
こんな具合で、どうにも上手く憑けけねぇ。
いや、一応憑いたことにはなるのかな。ただ、どうにも『
「あたしはメリ三。よろしくな」
「あ? そうだよ、メリ三だって。メリ三、メリ三」
「なんか喜んでるっぽいのはわかるんだが、言ってることはわからねぇよ」
「っていうかお前なんか
「あー、
でも、行けねぇ。
本来、
だけど、同じ相手に、二度と繋がらねぇ。遭えねぇ。強く、なれねぇ。いや、それどころか、このままじゃいつか消えちまいそうだ。
怪異は人に語られることで存在出来る。
だからあたしは、少しばかり、怖い。……怪異なのにな。
消えて、ねぇ。
あたしはまだ、消えてねぇ。
いや、それどころか、段々力も増してきたような気がする。
誰とも深くは繋がれてねぇのに、ちっとずつ、ちっとずつ、何かがあたしに繋がってくる。
電話した相手だけじゃねぇ。全然知らねぇ誰かとの繋がりを、感じる。
もはや数え切れねぇ。
この世、って言葉が何を指すのか、
あたしはメリ三。その、はずだ。どうなってるのか、わからねぇけど。
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