メルヘン村のないけんじじょう

ゼン

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 ここはメルヘン村!深い森と湖の少し奥、みんなが暮らす素敵な村です。太陽がサンサンと照りつける中、村の大きな広場にネズミくんと健太くんが居ました。

 「やぁ!健太くんこんにちは!今日は色んな家を見に行こうね!」

 クレヨンで書いた丸文字のような声でネズミくんは言いました。

 そうです。今日は健太くんが住む家を決める日、ないけんの日です。メルヘン村にある色んな家をネズミくんと一緒に見て回るのです。

 さぁ、さっそく行って見ましょう。


 「ここが一件目だよ!おなかが空いても困らない素敵な家さ!」

 細い道を少し進んだところにその家はありました。

 チョコレートの屋根、クッキーの壁。あめだまのタイルにマシュマロのポスト。

 そうです。みんなが夢見るお菓子の家です。これには健太くんもだいこうふん。

 「こいつはすごい!早く中に入ろうネズミくん!」

 いきようようとドアを開けようとする健太くん。しかし足を一歩踏み出した時、ぽつりと頬に何かが落ちました。

 ぺろり。

 「こいつぁ……。どういう事なんだ、ネズ公……。チョコレートが溶けているじゃあねぇか!」

 健太くんは怒りのあまりジョ〇ョっぽくなってしまいました。鬼の形相でネズミ君を見ると、ネズミくんは腰を落とし上半身を引きながらこう言いました。

 「ちっ……。気づきやがったか。しかし今日は真夏日、その上空は快晴と来た。チョコが溶けるのなんて……当たり前だろ?」

 ネズミくんは悪びれもせずにそう言い放ちます。ですがネズミくんの言う通りです。お菓子の家なんて人が住めるわけがありません。そんな事も分からず騙される阿呆が悪いのです。

 健太くんは舌打ちしながら次の物件に行くよう促しました。


 「次はここさ!普通だけど、素敵な家だよ!」

 クレヨンで書いた丸文字のような声でネズミくんは言いました。本性がバレても何も無かったかのように振る舞うそのずぶとさに健太くんは関心しています。

 ですが次のしゅんかん、健太くんの表情はきょうがくに染まります。


 O  人

 o 人 人

 ||人 人 人

 人 人 人 人

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 |  □□   |

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卜|  □□   |

ヒ|       |

  ̄|| ̄ ̄ ̄|| ̄ L

  ||    ||  L


 「おい……。俺はこいつに見覚えがあるぜ……!」

 「どうしたんだい健太くん!」


 O  人

 o 人 人

  ||人 人 人

 人 人 人 人

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 |  □□   |

 |  □□   |

卜|  □□   |

ヒ|       |

  ̄|| ̄ ̄ ̄|| ̄ L                  タ〇

  ||    ||  L サ〇エ ワ〇メ カ〇オ ナ〇ヘイ フ〇 マ〇オ


 「ま、間違いねぇ!なんだかぼかされてるが俺はこいつらを知っている!」

 「な、何を言っているんだい健太くん!あの人達は村の住人さ。何もおかしなことなんてない。あったとしても言っちゃあいけない、怒られる!」

 ネズミくんは健太くんを制止しますが、健太くんは既に決意を固めていました。

 「いいや言うね!こいつらは……サザエさ」


――――――――――――――*


 健太くんはちあんいじぶたいに捕らえられてしまいました。一か月後には解放されたそうですが今ではメルヘン村を抜け、せいきまつ村に住んでいるそうです。こっちより上手くやっていそうですね。

 一方ネズミくんはというと、けいやくのきょうようや管理のずさんさが露呈しクビにされてしまったそうですよ。ドブネズミにはお似合いの結末です。


 メルヘン村は今日も平和です。森と湖の少し奥にある、みんなが暮らす素敵な村。みなさんもぜひ来て下さいね?お越しの際にはシラサギ不動産にお立ち寄りください。素敵な出会いをお約束します。

 では、お元気で~。

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