第14話 最強の俺、最強の彼女と暮らす!?

「え、今、住むって言った?」


「うん、言った」


「ここに?」


「うん」


「君が?」


「うん」


突然の愛の告白に俺の精神がかき乱される。

だってだって男女が一緒に住むってことはさ、もうだってそう言うことじゃん?

一つ屋根の下。いや屋根というかここはダンジョンの地下だけれども。

屋根(地面)換算で言ったら多分すごい数の冒険者が入っちゃうけれども!


でも、意味は変わらないわけで。

いやどうしようかな。でもレビアとはあったばかりだし、でも俺は別に。彼女のこと嫌いじゃないし、むしろ好きだし?

ここはもう、男として腹を決めてびしっと答えてやるしか……


「レビア、俺は――」


「いやね? クミちゃんには作って欲しい家具いっぱいあるし、それを私の住んでたところまで持っていくのって滅茶苦茶大変じゃん? 道も拡張しないとだし。しかも私の住んでたとこあんたに壁壊されちゃったし。それに私は特にサウ王国にこだわりないから、しょうがないからいっそもうここに住んでも構わないかなって」


なんか、ちがーう!!!

しょうがないとか、もう、とか妥協の言葉が聞こえる。


思ってたのと違う言葉のオンパレードに俺の心はフルボッコにされた。ひどいよ、純情な少年の心を弄ぶなんて……まあ、基本的に勘違いしかけた俺が悪いけど。


「それは素敵ですね! わたくしも家具について語り合える仲間が出来るのは大歓迎です」


クミは歓迎で根っこを手のようにパタパタと叩いている。


「えへへ、クミちゃんありがと。勇気出して言ってよかったぁ」


頭の後ろをかきながらそう言うレビア。

そんな二人の様子を見て、俺はふっと息を吐く。

気持ちは別として同じことだしな。


俺の気持ちが固まったのを見てか、レビアは手を差し出してきてこう言った。


「私とこのダンジョンで、ルームシェアしてくれますか?」


なぜか、ちょっとだけ震えている彼女の手を俺はそっと取り、自分の手で包み込む。


「ああ。これからよろしくな」


その言葉に、レビアもクミも笑う。

俺の口からも笑みがこぼれた。


まさか、ダンジョンを住処にした先にこんな幸せがあるとは。


こうして、宿屋から追い出され寝袋の素材集めに来たダンジョンで家具職人のモンスターを見つけ、環境が整ったダンジョンに住んでいた俺は、素敵でかなり強い美少女のルームメイトを得ることになったのだった。

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