女神の家の門戸は扉を閉ざす
開戦から一時間ほど経過した。魔物の軍勢は数を減らす気配がない。三年前の悪夢とやらよりも効率的に魔物を駆逐しているのに、それでも終わりが見えないってのは精神的に来るだろう。
特に鉄級以下の連中の動きが鈍ってきている。【
「ぐッ……!」
「おい無理すんなっ! 一旦引けっ!」
「すまん……!」
集中力が低下していたのだろう。石人に肩をブン殴られて地面を転がった男が同僚に怒鳴られて引き下がる。
死ねば終わりのプレッシャーを抱えながら死線で武器を振るい続けるってのはどれほど神経が削られるのかね。俺はその心情を推し量ってやることができない。だからどこまでも無責任に叫ぶ。
「あれだけ息巻いてたのにその程度か!? 女子供が裏で働いてるってのにもう音を上げるとはなっ! 玉ついてんのかオイ!」
戦場から少し離れたところでは料理人連中や主婦のオバチャン、それに新聞社のガキどもが必死こいてメシの用意をしていた。
ガキどもめ。自由にしろとは言ったが……まさか戦場に来るとは思わなかったぞ。取材のし過ぎで野次馬根性でも育っちまったのかね。馬鹿なやつらだ。誰に似たんだか。
発破をかければ即座に憎まれ口が返ってくる。
「るっせぇー! テメェより上等なタマ付いてらぁ!」
「膨張率なら負けねぇぞーっ!」
「野郎どもうっさい!!」
「アンタらから死ねっ!」
あっちはまだ余裕がありそうだな。よし。
戦列の後ろを練り歩きながら【
「勇者ガルド殿。少し宜しいですかな」
前線で声を張り上げているとルーブスが伺いを立ててきた。
「どうした。暇そうだな」
「何処かの勇者さまが私の獲物を横取りしたものでね。手持ち無沙汰になってしまいましたよ」
そう皮肉げに言い放ったルーブスが肩を竦めた。飛来した溶岩弾を『空縫い』の一振りで氷結させ、バラバラに砕いてから、何事もなかったかのように語りだす。
「溶岩の魔物の数が異常に多い。得物を溶かされる者が後を絶たないのですよ。このままでは武器が枯渇する」
「単刀直入に頼む」
「恥を忍んでお願いするのですが、修復魔法を使って頂けないでしょうか。先般、腕は確かだが心根の腐った修復魔法師がこの街に現れましてね」
おっと、【
「まぁ既に女神様の元へと旅立って貰ったわけですが……かの魔法師が技を施した武器が存外高性能だったのですよ。耐熱性に優れていて融解しない。ガルド殿には、お手を煩わせてしまって心苦しいのですが、武器の補強を請け負っていただきたく」
けっ。なにが心苦しいだ。心にも無いおべっかを使いやがって。
「鉱石は?」
「用意しております」
「そうか。ガロードっ! 話は聞いたなっ!」
クロードのガルド形態は便宜上ガロードと呼ぶことにした。くそっ……わかりづれぇ……いつか間違えて呼んじまいそうだ。だが、今はいい。捨て置く。
「……はい、聞いてました」
「見てるだけってのも飽きただろ? 行って来い。全力でやれ!」
「……! はいッ!」
目を輝かせたクロードが武器を積んだ荷車の方へと全力で駆けていった。おう……すげーはしゃぎようだな。あいつそんなに修復屋稼業が気に入ったのか……?
「これはこれは。ガロード殿も補助魔法の使い手でしたか」
「探りを入れんなめんどくせぇ。暇ならあそこに突っ込んで来い。息乱してるやつが多いからじきに崩れるぞ」
「ふむ、確かに。それでは失礼」
得物を肩に担いだルーブスが極端な前傾姿勢で戦線へと飛び込んだ。普段の慇懃無礼な仮面をかなぐり捨てて吠える。
「引っ込めクソどもッ!! 下手くそなダンスを踊りやがってッ!! 魔物相手に発情でもしたのかッ!? あァッ!? 貴様らクソにはお似合いの相手だなッ!! ドブ底で精々幸せに暮らしてろクソどもッ!!」
ええ……何アイツ。口悪っ。あんなのが
▷
開戦から数時間経過した。詳細な時間は定かではない。空の彼方に茜が差し始めたので恐らく五、六時間は経過しただろう。
魔物の波は既に十二回も襲ってきている。冒険者連中は揃って限界を迎えつつあった。
「フーッ……フーッ…………」
殆ど休み無しで魔物を駆逐し続けたアウグストは肩で息をしていた。目の焦点は小刻みにブレていて、どこか一点を見つめている気配はない。
「はーッ…………はーッ…………」
『遍在』も同じだ。額から滝のような汗を滴らせ、震える膝に手をついて俯いている。ひたすら戦場を駆け回っていた反動が抑え切れなくなったのだろう。
「まだ……死ねない……っ! やっと、見つけたのに……!」
『聖女』は戦闘に向いていないのだろう。直接的な戦闘こそしていないものの、走り回ったせいで体力が持たなかったらしい。大の字になって寝っ転がる様からは『聖女』という二つ名の神聖さを微塵も感じられなかった。
金級は壊滅状態である。ギルドマスターは対竜戦に温存しておかなければならない。最前線はもはや崩壊寸前であった。
付いて行けなくなった鉄級と石級連中が死体のように転がっている。魔力が尽きた魔法使い連中もだ。残存戦力は全体の二割も居れば上等か。
見誤っていた。その一言に尽きる。
ここまで大規模な群れは見たことがない。塵に変えた魔物の総数は三千か四千か。それ以上かもしれない。異変の兆候は何週間も前からあったらしい。その間ひたすら戦力を蓄えていたのだとしたら、この馬鹿げた規模にも納得がいく。
少しまずいな。俺は少々トーンを落として周りの連中に問いかけた。
「よう、どうした? もう終わりか?」
返事は無かった。もはや軽口を叩く余裕すらないのだろう。
チッ。ここまで消耗しちまったら煽りはむしろ逆効果か。あとはもう残ったやつらの底力に賭けるしかなさそうだな。
「オオオォォッ!!」
ノーマンが獣もかくやの猛りを発揮して駆ける。突き出された斧槍の穂先が石人の胴を穿った。
「シィアッ!」
石人が塵と化す前に肉体の一部を蹴り飛ばし炸裂獣を仕留める。
背後からの奇襲を見もせずに躱したのは勘の向上の賜物だろう。斧槍を振るって溶岩蛇を断ち割り、飛び掛かってきた小鬼の首を素手で掴んで地へと叩きつけ首をへし折る。悪鬼のような戦い方だ。よほど腹に据えかねる出来事でもあったんだろうな。
現状、残っているのは休み休み戦っていた銀級の上澄みから銅級の上位連中くらいだ。他はもう駄目だな。肉体が精神に追いついていない。人の身体ってのは精神だけで動けるほど便利な構造をしちゃいねぇからな。
「……僕に、何かできることはないでしょうか」
手持ち無沙汰と化したクロードが呟く。
冒険者ギルドがダブルツから押収した変質アンブレイ鋼は既に使い果たした。飯も冒険者連中が平らげたし、補助をかける冒険者はもう居ない。
残ってるのは一般人やガキどもだけだ。やることがなくなった連中が固唾を飲んで見守っているが、どれほど血迷ったとしても彼ら彼女らを戦場に向かわせるわけにはいかない。恐らく、一分すら持たずに光の粒になって女神様とご対面だろう。なにもかも台無しだ。笑えねぇ。
「…………」
結論としては、できることはない。ここでクロード自身が飛び出していって魔物を倒すのは悪手だ。クロードもそれくらい察しているのだろう。俺たちはあくまで協力程度に留めなければならない。
勇者が居なければ死んでいた。その事実に変わりはないが、勇者である俺が持ち掛けたふざけた勝負で白星を勝ち取ったとあれば、その後の気の持ちようが大きく変わる。
手前勝手な理由で覚悟を踏み躙っておいて横柄なことだが、俺はクロードの意思に応えてやりたいと思うと同時、こいつらにこの程度で折れてほしくないとも思っているのだ。
「くそ……頑張れよっ!」
「立ってくれ……頼む……!」
「ちょっとアンタら! こんなとこでくたばったら承知しないわよ!」
一般人たちが歯を食いしばって叫ぶが、ぶっ倒れて地に伏せた冒険者は立ち上がらない。そりゃそうだろう。声援でなんとかなるなら俺は必死こいて黄色い声援を送ってるっての。
素早く戦力を勘定する。……これが最後の波ならなんとかなるだろう。今いる軍勢を蹴散らしてから金級とルーブスらで竜をぶち殺せば大団円だ。
そんな予想図を思い浮かべたせいなのかは判然としないが。
「第……十三波……」
「これは……チッ、本気出してきたな」
炉の化身。平均的な成人の約二倍の巨躯を誇る溶岩の巨人。そいつらがズラリと戦列を組んで侵攻を開始した。融解した地面が赤黒く染まっていく。蒸気で
間違いない。これが溶岩の竜の虎の子だ。こいつらをぶち殺せばあとは将を引きずり出すだけなのだが。
「……厳しいか」
ぶっ倒れた連中がなんとかして立ち上がろうとするものの、誰一人として戦列に加わることは敵わなかった。限界の限界まで力を使い果たしたのだろう。そこから先は根性でどうにかなるもんじゃない。
……くそっ。なんか無いのか……。何か逆転の一手に成り得る光は。
「あの…………あのっ!」
「あ? ……お前!」
気弱な声が聞こえたので振り返ると、そこには生成りの服を纏ったスピカが所在なさげに立っていた。なにやってんだこいつ。
「おいおい武器も持てねぇ一般人が何しに来たんだ? ここは前線だぞ。わざわざ死にに来たのか?」
「っ……違います! あの……私に何かできることは無いでしょうかっ! 私……料理も、お皿洗いも、荷物運びもできなくて……」
「知らねーよ! 無駄死にしたくなかったらとっとと消えろ!」
「でも……私、結局何もできなくて……」
「だから死にに来たのか? 足を引っ張りたくなかったら」
「待って下さい!」
茶々を入れに来たスピカを追い返そうとしていたらクロードが声を張り上げた。額に手を当て、神妙な顔をして呟く。
「今……チリっと、来ました。勘が……反応したんです」
「勘……【
「はい。額に熱が走ったような感覚が……」
おいおいマジかよ。それは吉兆だぞ。
使うか。【
「…………! なるほど。なるほどね」
額にジリっとした感覚が走る。これは天啓だ。どうやら俺は何か重大な見落としをしているらしい。
俺はスピカの頭に手を添えた。
「え? あ、あの……」
「お前……何か持ってるな? 少し調べさせてもらうぞ。【
才能の精査。そいつが持つ役割を詳らかにする残酷な魔法だ。磨けば光る天賦の才を明らかにするってことは、裏を返せばそれ以外は程々にしかならねぇってことだからな。
光の数も、強さも、人によってバラバラだ。個性といえば聞こえは良いが、そりゃつまり優劣の峻別に他ならない。やればできる、なんていう綺麗事の否定だ。
スピカは、案の定というべきか、才能が無かった。たった一つを除いて。
【励起】。あぁ、だからか。どうにも……おかしいと思ったんだよ。こいつにかけた【
「ガロード、お手柄だ。見つけたぞ……最後のピース!」
「……!」
「え……え?」
「付いて来い! お前ら二人にしか出来ねぇ仕事をくれてやる!」
露と消えた歌姫伝説……今度こそ成就させてやろうじゃねぇか。なぁ、スピカよ。
▷
「聞け! クソどもォー!」
一般人連中がズラリと並んでいる後方まで下がってきた。揃いも揃って自らの無力を呪い、せめて何かしようと決起し、そして冒険者連中に命を託した馬鹿どもだ。中には祈りを捧げてる敬虔なやつもいる。やめとけやめとけ。女神なんてクソに祈っても無駄だっつの。
「喜べ! てめぇらに最ッ高の舞台を用意してやったぞ! 王都の詩劇が裸足で逃げ出す出来過ぎた喜劇の開幕だッ!!」
会場のどよめきを無視して告げる。座長セインの緻密さはいらない。これは計算で成り立つ娯楽じゃねぇ。人の意思で作る奇跡だ。
「後世まで語り継がれる伝説劇の特等席をくれてやる! 参加料は想いと声と体力で払え! 馬鹿な観客みたいに叫び散らすんだよ!」
観客を焚き付けると同時、意思を飛ばす。アンジュ、来い!
「どうした! 何を呆けてやがる! このままだと全員死ぬぞっ! 必死こいて戦ってる連中に生きて欲しいと願うならっ! 自分にも何か出来ることがあると思うならッ! 馬鹿みてぇに声を張り上げるんだよ!!」
初めに声を上げたのはガキどもだった。頑張れ。勝ってくれ。魔物なんてぶっ倒せ。
拙い声援を聞いた連中が叫び散らかす。立ってくれ。負けないで。気合を入れろ。
唐突に声を出せと言われて困惑していたやつらが周りに圧されて声を出す。散発的な声援が勢いを増していき、爆発的な歓声に変貌を遂げる。火は着いた。あとは束ねてバラ撒くだけだ。
(アンジュ! 【感応】を!)
(はいッ!)
アンジュが激情の波を統制する。
愛、思いやり、信頼、献身、慈悲。
高尚なシロモノだ。今の俺にはもったいないね。だからお前が束ねろ、クロード。
「…………っ!」
千人を軽く超す人の意思を受けたクロードが目を見開く。お前はこいつらを守りたいんだろ? なら受け止めきってみせろ!
「あぁ……熱い、な」
「そうかよ。……いけるな?」
「はい……!」
生かす意思の中継点と化したクロードがスピカの背に手を添えた。クロードが魔法を行使する。
【
【
【
併せて三つ。クロードが練り上げた魔法の名は。
「【
「歌え! スピカ!」
「死なないで――――!!」
再起の願いが込められた歌が【励起】の力で増幅されて響き渡る。
勇者の御業を借りて意思は形を為し、奇跡を降ろした。克てぬ敵など、もう居ない。
「っおおおおおぉぉぉォォォ!!」
火山の激発さえ霞む咆哮が轟く。おせぇぞ馬鹿ども。何時まで寝てんだ。
「起きたなクソどもッ! ならさっさと死んでこいッ! 女神のクソが暇を持て余しちまってんぞ!」
「うるせぇぇッッ!!」
「死なないでって、言われちまったからなァー!」
「んなに暇なら漫画でもくれてやれッ!」
再起を果たした冒険者連中が魔物もかくやの凶暴な笑顔を浮かべて溶岩の巨人へと
その代わりにとばかりに一般人連中がバタバタと倒れ伏した。老若男女問わず大の字になっている。
おーおー、ずいぶん吸い上げたな? 出力上げすぎたんじゃねぇの? 【
「ガルドさんッ!」
この声……。チッ、あんまりこの姿で接触したくないんだが……無視するのも不自然か。
「どうした、ルーク!」
「ガルドさん……僕に、"最高の補助"を!」
最高の補助? ……あぁ、【
それにしても……。
「【
「僕にはニュイが付いてます!」
「はっ、そうかよ! なら……死んでこいルーク!」
【
「……ッ! おおおぉぉッ!!」
修羅と化したルークが戦場を駆けて炉の化身を輪切りにしていく。飛ばしてんなぁ。あれじゃ三分と持たねぇぞ。
「エ……ガルドさんッ!」
「あ? ニュイ、今お前……」
「が、ガルドさんッ!! そんなっ! ことより!! 何ですかあれ!? ルークはどうなっちゃったんですか!?」
「色々あるんだよ。詳しくは言わん。それより……」
【
「全力で走ってアイツに追い付け。多分あと二分くらいで力尽きて動けなくなるぞ。ヘタ打てば死ぬ」
「……!? もうっ! 本当に、勝手なんだからッ!」
あいついっつも苦労してんな。まぁ文句言わずに走れや走れ。大事なやつを失いたくなければな。
ニュイを見送ってから数秒。冒険者の猛攻で配下が壊滅しそうなことを悟ったのか。
オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ――――
「来たか。臆病な大将さんよぉ」
クソほど長かった戦いもようやく終わりが見えてきたらしい。
藍色の強さを増してきた空が白く灼ける。溶岩の竜。極高温の悪意の代弁者が上空で翼を広げた。熱風が肌を焼く。【
「勇者ガルド殿、度々失礼」
こんな時でも涼しい顔をしたルーブスが隣に立つ。
「あん?」
「先程石級のルークにかけた魔法を温存していた理由をお聞かせ願えませんかな?」
チッ。まぁ、やっぱ気付くよな。……隠し立てする必要もねぇか。もう今更だ。
「あれはかけた対象への反動が強くてね。石級以外にゃ使えねぇよ。かけた対象が強ければ強いほど前後の落差が激しくてね。死ぬほど辛いぞ。銀級連中にかけたら、多分一月は使い物にならなくなる。だから使わなかったんだよ。お荷物を増やすだけだからな」
破綻させた魔力を肉体で浄化させなきゃならんからな。【
「ふむ、なるほど。でしたらその補助を私にかけて頂けませんかな?」
「ん? お前、話聞いてたのか?」
「ええ。一月ほど政務の机から離れたいと思っていたところです。丁度いい」
「マジで死ぬほど辛いぞ?」
「無能の謗り以上に辛いものなどありませんよ」
「ハッ! 言うじゃねぇか! 気に入った!」
覚悟を決めたルーブスの背を平手で叩く。そこまで言うなら止めるのも無粋だ。盛大にやるといい。
「死んでこい! 【
「……! これは……くくっ、若返った気分だ……いや、全盛期すら軽く凌ぐ……!」
全ての身体、感覚強化の補助を、数倍の効果で付与する魔法だ。相当の万能感があるだろう。その分代償はとんでもないがな。
内なる獣が表層に漏出したのか、ルーブスが眉根に皺を寄せて牙を剥く。テンション上がっちゃってんねぇ。後々が楽しみである。
ギリと後肢を張り詰めさせたルーブスが轟音を立てて跳ぶ。煙が漲る藍天の下、溶岩の竜と氷の獣が衝突して爆ぜた。
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