第15話 彼氏と別れました
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。優柔不断。恋人のフリをしている後輩の春花か彼氏持ちで添い寝をしたことのある愛未のどちらが好きか分からず、揺れているが自分を信じてくれた愛未を信用すると決め、告白した。その後、大阪出張中に上司の内間君恵に告白されるが好みとは程遠かったため、断った。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。自身のあざとさ故に星矢を振り回していたが星矢に対する気持ちは本当だったみたいで、、?星矢に告白され、彼氏と別れるまで待ってて欲しいと頼む。
中野春花(はるか)…社会人一年目。星矢が教育係として色々教えている後輩。ストーカーの被害にあっており、ストーカーに彼氏いると思わせて諦めてもらうために星矢と恋人のフリをしている関係でもある。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。みんなから好かれる愛されキャラ的存在。内間君恵の恋愛相談にも乗っていた。
内間君恵(きみえ)…星矢の上司。飴と鞭が激しく、星矢に厳しい時は厳しい。前回の話(大阪出張)で星矢にいきなり告白する。しかし、すぐに断られてしまった。
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東京に戻ったら今までの日常と変わらなかった。大阪での出張で星矢に告白したとは思えないくらい内間さんは厳しいし、相変わらず愛未はあざといし、春花とは恋人のフリを続けた。
変わらない日常は一ヶ月ほど経過した頃、突然転機がやってきた。昼休みに星矢の隣の席に来た愛未はいつものようにあざとく耳元で囁いた。
「私、彼氏と別れました。これで気兼ねなく遊びとか行けますね!」
そう囁いてすぐに離れて行った。
………あー、やっぱあざとい!!でもこれで俺と付き合うって事よな?そう約束したもんな?………
さらに転機は同時に訪れた。
「私たち、恋人のフリもうやめませんか?」
春花からの提案だった。
「どうしたの?急に」
「最近、ストーカー被害に合わなくなりましたし、きっとストーカーはもう諦めてくれたのかなって。それにずっと恋人のフリ頼むのは真鍋さんに悪いですし」
………俺が愛未好きだって見透かされてるんだろうか。いや、そもそも春花は俺の事好きなわけじゃなくてあくまでストーカー対策として恋人のフリしてただけだもんな………
「そうだね。もうストーカー被害に合ってないなら恋人のフリする必要ないか〜」
「はい。今まで本当にありがとうございました!これからも仕事でお世話になります!」
そう言って笑顔で離れていく春花。これはこれで寂しい気もした。可愛い後輩と毎朝手を繋いで出勤。それができなくなるのはどう考えても悲しい事だった。
………まあ、俺には愛未がいるし?でも結局、俺、どっちが好きなんだろう。いや多分愛未なんだけど、だとしたら春花と恋人のフリできなくなって感じてるこの虚しさは何なんだろう………
この悩みを抱えていたらこの前、居酒屋で話しかけられたオネェ風のバーのマスター、堤健司の事を思い出した。博に春花と恋人のフリしてる事は言いたくなかったし相談相手はそこしかないと思い、名刺をもらったバーに行った。
星矢はそこで愛未と起こった一連の出来事、春花と恋人のフリをしていたこと、そして今、愛未と春花のどっちが好きなのか分からなくなっている事を話した。
「あなた、なかなか面白い経験してるわね」
「ですよね〜。なかなかこんな事ないと思います」
「おそらくアナタは今はどっちも興味ある状態だと思うわ」
「でもそれって二股ですよね?」
「あら、アナタ硬いのね。いーい?付き合ってない状態で誰と仲良くなろうとしても浮気にはならないわよ?」
「ま、まあそうですけど」
「好きって気持ちはね、曖昧なの。たとえ付き合ってからでもそれが恋愛感情じゃなかったと感じる人もいるくらいなのよ?それが付き合う前から分かるわけないじゃない!人間なんだから色んな感情を持って当たり前なのよ。大事なのはその人と仲良くなろうと踏み込んでみること。それで合わなかったら付き合わなければいいし合うなら付き合えばいいってだけのことじゃない!」
………た、たしかに。勉強になります………
「それにアナタ、まだその後輩二人の事全然知らないんじゃない?だったらまずは知るためにご飯行ったり遊び行ったりしないと!行動しないと何も始まらないわよ!」
「で、ですよね。行動してみます!」
バーで健司さんに相談してみて星矢は心が晴れた。愛未とも春花とももっと仲良くなってそれから判断してみよう!そう思ったのだ。
行動は早かった。まずは愛未に遊び行こうと誘ってみた。もちろん返事はオッケーだった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!感想や主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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