第13話 別れたら付き合ってくれるんだよね?
【登場人物紹介】
これまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。優柔不断。添い寝した彼氏持ちの後輩、愛未とストーカー対策として恋人のフリをしている後輩、春花のどちらが好きか分からず心が揺れる。しかし、前回の話で自分を信じて本心を露わにしてくれた愛未に告白した。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。自身のあざとさ故に星矢を振り回していたが星矢に対する気持ちは本当だったみたいで、、?前回の話で彼氏と別れるまで待ってて欲しいと頼む。
中野春花(はるか)…社会人一年目。星矢が教育係として色々教えている後輩。ストーカーの被害にあっており、ストーカーに彼氏いると思わせて諦めてもらうために星矢と恋人のフリをしている関係でもある。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。周りから好かれる愛されキャラであるが、恋愛関係になることはあまりない。しかし、二日目の夜、星矢の上司、内間と二人で海に行っていた。
内間君恵(きみえ)…星矢の上司。何故か星矢に厳しい。プライベートはあまり人に明かさないため、謎に包まれている。
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お盆休み。仕事は休みになり、愛未は実家に帰省している。星矢も愛未に言われたことを信じ、待っている。仕事のない日々はとにかく暇だった。
暇な時間を埋めるため、そして今起こっている複雑な状況を博に伝えるために飲みに誘った。流石に春花と恋人のフリしてることは言わなかったがそれ以外の事(社員旅行中に愛未と添い寝したこと、告白したこと、彼氏と別れるまで待つように言われたこと)を話した。
博は最初こそ驚いていたが同時に応援もしてくれた。
「そうかぁ。そんな事があったんだ。でも待っててくれるように言われたんなら待つしかないよな」
「そうなんだよな。もちろん信じて待つつもりだよ」
「とにかくお疲れ!お前はよくやったよ」
そう言って応援してくれる博。星矢にとってこれほどまでに信頼できる親友はいなかった。
そんな時、星矢は社員旅行の夜、博と内間さんらしき人物が二人で海にいたことを思い出した。
こっそり付き合ってるのかも?と思い、探りを入れてみることにした。
「ねぇ、博ってさ、今彼女いたりする?」
「え、何でよ。いないよ。流石にできたらお前に報告するわ」
「え、そうなんだ」
じゃああの夜は何だったんだ。何かの相談だったのだろうか。
「あ、そうだ!内間さんがさ、お盆明けの仕事について星矢と話したいって言ってたよ。俺も今後の事業について聞きたいのもあって今度三人で飲み行こうって話になったんだけどいいよね?」
「まじ!?あの人怖いんだよな〜」
「大丈夫だって!怒られるような事じゃないと思うし。で、いつなら行けそう?」
………なんか行く事になってるし………
内間さんは一緒に発表資料作って仕事熱心だったり意外と部下思いな一面は見れて印象は変わったけど星矢にとって怖い上司ということに変わりはなかった。
………てか海で話してたのってそういう業務連絡だったりするのかな。旅行来てまで仕事の話?でも内間さんならあり得るんだよな………
星矢はそう思って博と内間さんには何もないのだろうと確信した。
しばらく二人で飲んでるとオネェ風の人が声をかけてきた。
「あら、あなたたち、良い話してるじゃない?私にも聞かせて〜」
星矢と博が少し唖然としていると「あら、ごめんなさい。びっくりさせちゃったわね。私、新宿のバーでマスターやってるんだけど、そこでよく恋愛相談乗るから恋愛の話大好きなのよ!もし相談したいことあったらうちに来てね〜」と言って名刺が渡された。
堤健司という名前らしい。「店の売名か!」と思いながら名刺を受け取った。
お盆休み中は愛未は帰省していたため、会う事はなかったし仕事もないため春花と恋人のフリすることもなかった。
星矢と博と内間さんの三人で飲みに行き、そこで仕事の話をしているとお盆明けに星矢と内間さん二人で大阪に出張に行くという話が出た。
「え、二人で出張行くんですか?」
「ええ。そうよ。今日はそれを伝えたかったの」
………また勝手に決めて、、………
仕事だから仕方ないと思いつつ、苦手な上司と二人で出張は嫌だった。
星矢は一応恋人のフリしてる春花にお盆明け後の一週間は大阪に出張するため、恋人のフリができないことを伝えた。春花は納得して『出張頑張ってください』と応援メッセージをくれた。
微妙な関係の後輩が二人いるという状況は星矢にとって複雑なものだったが愛未が今の彼氏と決断を出すまで待つと決めたのでひたすらに待っていた。
帰省中に愛未と電話したくなることもあったので電話もした。お互いの近況報告だ。愛未はまだ彼氏と別れを切り出せずにいるらしい。しかし、別れる気持ちでいることは確実らしい。
それと彼氏が近くにいる時に星矢から電話来てもいいように星矢のラインの表示名を女性の名前にしているといったことも話の流れで教えてくれた。
………それ、完全に浮気隠す時のやつじゃん………
星矢は愛未にとって自分の存在が彼氏に隠さなければいけない存在だと思うと、それもそれで嬉しかった。
「別れたら俺と付き合ってくれるんだよね?」
そう聞こうとしたがやめた。否定されるのが怖かっただけかもしれないが、何となく聞かない方がいい気がしたからだ。
そんな感じで星矢の社会人二年目のお盆休みはほぼ愛未との電話で終わった。
お盆が開けるとついに内間さんとの地獄の大阪出張が待っていた。
「お待たせ」
出張の出発日、星矢の前に現れたのはいつもより露出度の高い服を着ている内間さんだった。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!感想や主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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