最終章 ギャルと卒業式とホワイトデー

第23話

 涼華とエッチをしたあの日以来、涼華は俺のバイトがない日は本当にご飯を作るために家にやって来ていた。

 あの日以降、俺は涼華と一緒に料理をしていた。

 その方が時短になるし、負担も減るからだ。

 それに涼華と一緒に料理をするのは楽しかった。

 今日の料理は唐揚げで今は唐揚げが揚がるのを待っているところだった。


「あん♡ もぅ、油使ってるんだから危ないってば♡」

「大丈夫だろ。離れてるから」


 ちゃんと油が跳ねてもいいように距離を取っているから問題はない。

 俺は涼華のことを後ろから抱き締め、服の下から手を入れておっぱいを揉んでいた。


「なんか積極的になったよね。孝之」

「嫌か?」

「ううん♡ 嬉しい♡ ちゅ♡」

 

 涼華は俺の方を振り向くとキスをしてきた。

 お互いの舌を絡め合い、ただただお互いが気持ちよくなるためのキス。

 あの日以来、俺と涼華は数え切れないほどキスをした。

 朝、昼、夜、暇さえあればキスをしてエッチをしていた。

 美人は三日で飽きるというのを聞いたことがあるが、それは大きな間違いだ。

 飽きることは一切なく、俺はどんどんと涼華のことを好きになっていった。

 しばらく涼華とイチャイチャとしているとタイマーがピ、ピ、ピーと鳴った。

 

「唐揚げが揚がったみたいだね」

 

 涼華は俺から離れ、唐揚げを鍋から皿に移していった。

 

「孝之。ご飯入れて」

「はいよ」

 

 俺は食器棚から二人分の茶碗を取り出した。

 あの日はなかった涼華の茶碗が俺の家の食器棚に追加されている。

 茶碗だけじゃない。

 箸やコップも涼華専用の物が追加されている。

 週に四回以上も俺の家に来るのだから自分の物があった方がいいということで一緒に買いに行った。

 

「ご飯運んどくぞ?」

「うん。ありがと」

 

 俺がご飯をテーブルに運んですぐに涼華も唐揚げをテーブルに運んできた。

 

「すっかりと俺の家に馴染んでるな」

「そりゃあ、馴染むでしょ。毎日のように来てるんだもん」

「それもそうか」


 いただきますをして俺たちはご飯を食べ始めた。


「うん。美味しい!」

「美味しいな」

 

 ジューシーな唐揚げは噛めば噛むほど肉汁が溢れ出してきて美味しかった。

 しばらく談笑をしながらご飯を食べていると涼華が「ねぇ、一つわがまま言ってもいい?」と聞いてきた。


「わがまま?」

「うん」

「内容によるけど、なんだ?」

「同棲したいなって」

「えっ?」

「ダメ?」


 いきなりのことで掴んでいた唐揚げを落としそうになった。


「別にダメじゃないけど、急だな」

「たしかに急だけど、結構な頻度で孝之の家に来てるじゃん?」

「そうだな」

「もう同棲しちゃった方が楽だなって思ったの。それに同棲したら、もっとたくさんイチャイチャもできるし♡」


 もっとたくさんイチャイチャできるという言葉に俺の中での選択肢は一択になった。


「どうかな?」

「俺はいいけど、涼華のご両親は許してくれるのか?」

「それは大丈夫だと思う。むしろ、喜ぶんじゃないかな。家賃が浮くって。もちろん家賃はちゃんと払うから」

「それはいいよ。実はここのマンション獅子丸のご両親が経営している会社の物なんだけど、獅子丸の友達ってことで格安で借りてるから。それに涼華には料理を作ってもらってるからな」

「でも、最近は料理は一緒に作ってるじゃん」

「いいんだよ。それにお金以上の物を俺は貰ってるからな。どうしても払うっていうなら同棲の話は無しな。嫌だけど」

「分かった。じゃあ、高校生の間は孝之に甘えさせてもらう。でも、大学生からはちゃんと私もお金払うから。それだけは譲れない」

「分かったよ。それでいいよ」

「うん。ありがと」

「いつから始める?」

「そうだね。とりあえず、ご飯食べたらママに話してみるね」

「了解」

 

 ご飯を食べ終えた後、涼華はお母さんに電話をして無事に許可を得ていた。

 なので、早速明日から荷物を少しずつ俺の家に運ぶことになった。


「涼華。これ渡しとく」

「いいの?」

「ないと困るだろ? 俺、明日はバイトだし」

 

 俺は涼華に合鍵を渡した。


「ありがとう」

「無くすなよ?」

「無くさないから! 私のこと子供だと思ってる?」

「ちょっとだけな」

「ひど~い!」

  

 涼華は頬をぷくぅっと膨らませて俺の肩をポコポコと叩いてきた。

 

「冗談はさておき、涼華の部屋を決めに行くか」

「私に部屋くれるの?」

「当り前だろ」

「ありがと」

 

 幸いにも余っている部屋は二部屋ある。

 どちらも現在は物置として使っているので片付ければ使うことは可能だった。


「どっちがいい?」

「孝之の部屋と近い方で」

「そう言うと思った」

 

 涼華の選んだ部屋に置いていた物をすべてもう一つの部屋に移動させた。


「明日からこの部屋は涼華の好きに使っていいからな」

「うん。ありがと」

「汗かいたしお風呂でも入るか」

「そうだね。わがままを聞いてもらったし、たくさんサービスしちゃおうかな♡」

「それは楽しみだな」


 その言葉の通り涼華はお風呂でたくさんサービスをしてくれた。

 たくさんサービスしてくれたから俺たちは一時間以上もお風呂にいた。

 

☆☆☆


 

 

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