第6話 水牛との対決

 俺はストロング系酎ハイを呑み、眠りについた。

 俺とバッファローの最後の戦いが始まる。

 

 夢が始まった。

 あの物件の北北東の角部屋で俺は佇んでいる。

 夥しい量の足音が聞こえる。

 七角形の窓から見ると、やはりバッファローの群れが見えた。

 俺は体をその反対側の壁に向かって翻した。

 そして、

 壁に向かって何度もパンチを入れた。

 頼む!間に合ってくれ!!

 足音がどんどん近づいてくる。

 殴る殴る。

 ドドドドドドドドド。

 殴る殴る殴る殴る。

 ドドドドドドドドドドドドドドドド。

 

 バッファローが窓に突っ込もうとしたその時…

 俺は七角形の窓を開けた。

 バッファローが窓に向かって縦一列になって勢いよく入ってくる。

 その後、穴に向かってバッファローは駆けて行く。

 そう、俺が開けた穴に。

 バッファローたちは俺の穴を通ったら皆各々スッと姿を消していた。

 穴から顔を出して、上下左右を見ても、何の姿も見えなかった。

 少なくとも夢の中ではバッファローの怨念は消滅したのだろうか。

 俺は、空を見上げて笑顔になった。


 すると、夢から覚めた。

 夢の中とは言え、憑き物が取れたためか、久々にすっきりとした朝だった。

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