第3話 七角形の窓の謎
彼女に会った次の日、ホンジャマカ夢花は昨日と正反対の白いワンピース姿で俺の職場を訪ねてきた。大きなピンク色のリュックサックを背負っている。
彼女のことを知らないふりをして、内見の手続きを行う。
鍵を持ち、自動車に乗る。
「さあ、向かおうよ、悪夢の根幹へ!」
彼女が少し嬉しそうな表情でそう述べたので俺は若干苛立った。
「楽しそうに言わないでくださいよ!!」
そう叫んでアクセルをベタ踏みして社用車を走らせる。
件の物件に着いた。
やはり、いつ見てもバッファローの悪夢のことが頭に浮かんできてしまい、心臓に悪い。
「やっぱり、霊気とか感じます?」
と俺は恐怖の気持ちを誤魔化すためにふと浮かんだ疑問を聞いたが、
「あのね、君は私を誰だと思っているの?私は悪夢の根の部分を突き止めて解消するのが仕事なの。そんなスピリチュアルなやつと一緒にしないで!」
と口をへの字にして彼女はご立腹という漢字で答えた。
北北東にある、あの角部屋へと足を2人で進める。
薄暗い部屋の奥に七角形の窓から少し光が入っている。
彼女が窓に近づき、リュックからメジャーを取り出した。
「何をする気なんですか?」
「まあ、見といて」
彼女はそう言ってすぐに、七角形の窓を向き、その辺の長さを計り始めた。
一辺測るごとにメモ帳に数字をメモしている。
七辺とも測り終わった後に、俺の方に彼女は振り返った。
「わかんねえええええええええ」
その顔には困惑の表情が浮かんでいた。ここまで八になるのかというぐらい、八の字になった眉を浮かべている。
彼女のメモ帳を見るとこう書かれていた。
117
102
98
102
97
111
108
俺も彼女と同じく八の字眉を浮かべた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます