【KAC20242】 コージくんのおうち

🔨大木 げん

コージくん、ともだちのお家へ

 おさるのコージくんはある日、ニンゲンみたいなお家にすみたいとおもいました。


 でもお家のつくり方がわからなくてこまっていると、ともだちの、げんおじさんが手つだってくれました。げんおじさんはニンゲンのだいくさんです。


 お家ができあがると、げんおじさんは「いいお家ができてよかったね」といってかえっていきました。


 ハンモックのベッドがあるすてきなおうちです。たべものも、たくさんためておけます。


 うれしくなったコージくんは、おともだちにじまんしてあそびにきてもらいました。


 ねずみくん

 ぞうさん

 こうもりくん


 あそびにきてくれたみんなは、くちぐちにいいました。


 ねずみくんはいいました。「こんなに大きすぎるお家だとなんだかおちつかないや。ぼくのお家を見においでよ」


 ぞうさんはいいました。「こんなに小さなお家だとゆっくりねることができないわ。わたしのお家を見においでよ」


 こうもりくんはいいました。「こんなにあかるくて、さかさまのお家だとつかれちゃうよ。おれのお家を見においでよ」


 そこでコージくんは、みんなのお家を見にいきました。


 さいしょは、ねずみくんのお家です。

 ねずみくんはいいました。「どうだい、ぼくのお家は? 大きすぎないから、いごこちがいいだろう?」


 コージくんは「ぼくには小さすぎるな」とおもいました。


 つぎは、ぞうさんのお家です。

 ぞうさんはいいました。「どうかしら、わたしのお家は? ゆとりがあるでしょう?」


 コージくんは「ぼくには大きすぎるな」とおもいました。


 さいごは、こうもりくんのお家です。

 こうもりくんはいいました。「どうだ、おれのお家は? まぶしくなくて、すごしやすいだろう?」


 コージくんは「ぼくにはなにもみえないし、さかさまでつかれちゃうな」とおもいました。



 みんなのお家を見おわったコージくんは、じぶんのお家にかえってきていいました。


「みんなじぶんのお家がいちばんだっていうけれど、ぼくにはぼくのお家がいちばんいいや」








 

 

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