第3話



 そうと決まれば、後は行動を起こすのみ。


 即決。

 我ながら、笑える。


 全く、死に急いでるんだか―――生き急いでいるんだか分からない。

  

 


「ねぇねぇ! 美味しいものあげるから、お姉さんに着いて来ない?」

「......」


 

 下校時を狙っての凸ならぬ、突進だったが。

 丘乃君の反応はイマイチ。 


 掴みとしてはベストだと思ったんだけどな?


 こういう、ある人と接点を持つ時の掴み所は、人間関係における最も難しい事の一つだ。


 初手から躓けば、その後の交友は絶望的。


「…通報、通報」

「あ、ちょっと。 タンマタンマ! えーっとね、これは普段私が喋らない人との交友接点を探る掴み技で....決して不審者の常套句で言ったんじゃないよ!?」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

残り一日の無駄遣い 那須茄子 @gggggggggg900

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画