3-2
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なんて楽しい二日間!
可能ならもう一日……と、言いたいところだが、折角仲良くなれたのに
本当は全然興味が無かったけど、
スイーツのお店も大成功だったし、芝居も夕食も楽しんでもらえたみたいだ。
まぁ芝居については、王立劇場のボックス席……二日可能なチケットなどある訳が無いのだが、そこは二日間可能にすればいいだけの話。
無理なら新しく、席を作ってもいい。
「今日はとても楽しかったです」
その言葉だけで、
さらにはホロ酔いで頰が色付くミリエッタに名前で呼ぶ許可までもらい、嬉しくて可愛くて、
無理だ、もう我慢ならんとギュッと抱きしめると、多幸感で脳がショートし
どんな可愛い
ああ、もう好きだ、大好きだとばかりに抱きしめて、勢いのまま連れて帰りたいと宣言すると、ミリエッタに落ち着いてと
夜会の翌日に
ずっと君を見てきたからこそ、すぐに信じてもらえないのは仕方ないと分かっている。
自分の想いが届かないもどかしさと、どうか信じて欲しいと願う切なさで胸がいっぱいになり、馬車に乗り込んでも
ゴードン伯爵邸に着くまでの約二時間弱。
本当は途中で目が覚めたのだが、触れる肌の
*****
──王宮内で開かれた夜会での一幕。
ミリエッタがジェイドにハンカチを
デズモンド
「さて本会は、公正
筆頭公爵家、バイス・デズモンドが重々しく口を開くと、座していた国の
「先の夜会での、トゥーリオ公による発言の数々に、大いなる疑義を持ったのは私だけではないはずだ」
「そうだそうだ! 同会の会員に
「いや、審査会での決議などとは生ぬるい! 持ち得るすべての役職を
デズモンド公爵の言葉に、次々と野次が飛ぶ。
「そもそも、ハンカチの
声を
トゥーリオ公爵をして、『少し気難しいが、真面目で勤勉』と評された男の父である。
「提示された
ラーゲル公爵家、
「
鼻息荒く反論するラーゲル公爵を手で制し、続けてオラロフ公爵が立ち上がった。
「それなら、私も同様だ! 『
「そもそも、『決断力に欠ける』とは何事だ! そんな
オラロフ公爵家、期待の嫡男キールは二十三歳。
ジェイド、ミリエッタの兄アレクとは同級生にあたる。
「待て待て、それならばまだ情状
「あろうことか『
「さらに言うと、『王国最強の騎士』という一番のアピールポイントまで
デズモンド公爵家、
最年少で騎士団長に
仕事人間でなかなか身を固める気配が無く、婚約話を断り続けているのが難点だが、将来は
鼻息荒く、異議を申し立てる三人に視線を向け、ジェイドの父であるトゥーリオ公爵は、「ふむ」と一言
「……確かに改めて聞くと、適切でない表現もあったかもしれないな」
とぼけた様子で、のらりくらりと
「だが今回はあくまで
トゥーリオ公爵の言葉に、三人の公爵はその通りだと頷いた。
「ミリエッタ嬢の父であるゴードン
ミリエッタももうすぐ十九歳。
誕生日までに自分の意志で婚約者を選ばなかった場合、この取り決めは無効となる。
「各公爵家から候補者を一人ずつ選定する。
トゥーリオ公爵の言葉に、それもそうだなと三人の公爵は
「それでは、
かくして、四大公爵家の緊急会議は終結し、無事散会となったのである。
*****
手短に会議を終えたものの、トゥーリオ公爵が帰宅する頃には夜も更け、
「ま、待て! どうした落ち着け! 頼むから止まれ!!」
逃げる間もなく、ましてや逃げおおせる訳もなく、目の前に来たと思った瞬間脇に手を差し込まれ、視界が一気に高くなる。
「ちょ、待っ、う、うわあぁぁああッ!? アガガガガガ」
百八十センチを
標準的な身長であり、適度に筋肉も付いているため、そこそこの重さがあるはずなのだが、それを物ともせず今度は高く持ち上げたままグルグルと回り始める、公爵家次男。
「待てッ……酔う、酔う、
ガシリと
吐き気を堪えながら、「そうか、それなら良かった」と弱々しく微笑むと、勢いよく頷くジェイドの太い指が
「分かったから、
本人はさして力を入れているつもりは無いのだが、メリメリと肩に食い込む指に思わず叫ぶと、今後はぎゅむっと抱きしめられた。
「ありがとうございます!!」
「聞いた聞いた、さっきそれは聞いたから。そもそも勝機を得たのは、お前がミリエッタ嬢を助けたからだ。暑苦しいから離せ!」
騒ぐトゥーリオ公爵を
「
ドッと疲れて
「
長男のアランが「芝居なんて
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平民同様、貴族社会の
王家主催と言っても厳格なものではなく、今時の若者世代に配慮したフレキシブルなもので好評を博しており、四大公爵家もこれに
問題など起ころうはずもないその夜会の後、四大公爵が集まり緊急会議を開いたとの報告があり、すわ一大事かと護衛を
途中、デズモンド公爵が拳で机を叩き割る場面はあったものの、トゥーリオ公爵は終始
実にくだらない議題だったが、丸く収まって本当に良かった。
国境付近でたまに他国との交戦があるものの、デズモンド公爵のおかげで大事に至ることもなく、外交についてはトゥーリオ公爵が一手に担い、同盟国とも良い関係を築けている。
資源も豊かで、領内に港を持つオラロフ公爵が、貿易により多額の収益を上げてくれるおかげで国庫は
我が国は本当に平和だな……。
良かった良かったと、国王は
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