3 その騎士、こじらせ中につき注意されたし
3-1
エスコートを受けながら、楽しみですねとミリエッタが告げると、ジェイドが
開演前の場内は照明を落として適度に暗く、通路や階段には厚めの
細部まで
色
席間が少々
座部は低めだがしっかりと視界が確保され
「三階のアートショップで絵姿や公演プログラムを売っているので、見に行きますか?」
芝居の感想を
公演プログラムの冊子が
ミリエッタの
届かなかった冊子を軽々と手に取り、「これで
折角だからと関連する
「甘い口当たりで飲みやすく、度数も低めでお酒の苦手な女性にお
グラスに半分
目の高さにグラスを持ち上げ
「こちらの銘柄で
何が起きたのか分からず、手でそっと胸を押さえたミリエッタを案ずるように、すかさずジェイドが声を
「はい、とても
「えっ」
ミリエッタの言葉に
何かを
「私もミリエッタ
「そんな、……もう
「それでは
幸せそうに
「……
「ええッ!? その、ぜ、善処します」
む、胸のドキドキが収まらない──!!
これ以上はもうミリエッタの心臓が限界だったため、話もそこそこに、その後は食事に集中したのだが、そのレストランもディナーもすべてがまるでミリエッタの好みを熟知しているかのように満足のいくもので、デートが終わる頃にはもはや興奮冷めやらず、昔からの友人のように打ち解けることが出来た。
「
夜景の美しい場所があるのでと案内された橋の上で、
「楽しんでいただけて、私も嬉しいです」
少々お酒が入り、ホロ
「ジェイド様、ずっと思っていたのですが、私には
「ミミ、ミ、ミ」
「?」
「ミ、ミリエッタ」
「……はい、なんでしょう?」
にこりと微笑み、首を
「ミリエッタ!」
「きゃあッ」
子どもをあやすようにひょいっと持ち上げ、軽々と腕に乗せて
「ミリエッタ!! あああ、だめだ、
突然視界が高くなり、見下ろす形になったミリエッタを、頰を赤らめながら見つめジェイドは
「もう無理、可愛すぎて
見ているだけで嬉しくなるような満面の
そのままグイッと、自分のほうへ引き寄せると、お酒も入って自制が
「ちょッ……、ジェイド様!?」
「ミリエッタ、たった一日だけど、名前で呼んでもいいと思えるくらいには、俺のこと好きになってくれた!?」
「ち、ちか、……近いッ!」
同じ量のワインを飲んだはずなのだが、明らかにミリエッタより酔いが回るのが早い気がする。
それもそうだ、
「ああもう可愛い! かっ、かわいぃぃっ!! このまま連れて帰りたい!」
「ジェイド様、す、少し落ち着いて」
「幸せ過ぎて夢みたいだ! あの日、ミリエッタが話し掛けてくれて、俺は泣きそうなほど嬉しかったんだ!」
「分かりました、嬉しかったのは分かりましたから!!」
明るく
その後はどんなに
酒に弱いのだろうか。
もう夜も
馬車に乗り込んだ時の体勢のまま。
ミリエッタを
「え、ちょ……ジェイド様!?」
困ったやら恥ずかしいやらで、ミリエッタはどうしたら良いか分からなくなる。
遠慮せず甘えられることが自分の願いだと言ってくれた。
連れて帰りたいとの言葉が本気なら、どんなに幸せなことだろう。
二日間に
話し掛けてくれて嬉しかったと破顔する、ジェイドの言葉を
またしても最適解を導き出せない命題に頭を
ミリエッタは恥ずかしさに両手で顔を覆い、
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