第5話 お手紙必要ですかね?

 お父さんお母さんに手紙って書いたことあるかな?

 そりゃ小さいころになら書いたような気がするけど――何を書いたかなんて今じゃ覚えていない。まあ多分『大好き』とかとかそんな感じの事じゃないかな?

 未だと――お父さんには書かないかな(笑)

 って、ここ最近はそもそも手紙なんて書いたことないか。

 というかここ最近は両親への連絡――連絡したかな?

 あっ、あれだよ。かわいい子には旅をさせろ――じゃなくて、便りがないのは――だっけ?まあとりあえず私元気です――と、言いたかったのだけど。

 うーん。これは何というか。とりあえず手紙――というより私は遺書を書くべきだったのかもしれない。

 まさか私がの先輩の正体に気が付けないとは――って、気が付けれるかい!

 なんか言い出したぞこの先輩からのとんとん拍子で私は――あれ?どうなったんだっけ?先輩が手を伸ばしてきて――私死んだ?いや、気を失って――って、じゃあ今いろいろと考えている私はどこの私?夢の中?それとも――もしかして天国!?多分地獄ではないと思う。私いい子だったし。先輩にわがまま言ったくらいだし。

 ――多分。

 

 って、本当に私はどうなったのだろうか?

 先輩に騙されていて――意識を失って――まさか乱暴されて――死んだ?

 いや、うーんあの先輩が?

 でも意識がなくなったのはなんか覚えているというか。ぐるぐる回ったような……?

 ダメだ。わかんないからとりあえず今遺書らしきものを――。


『私、芦屋あゆみ。先輩に騙されて――』


 あれ?本当に騙されたのかな?わかんないけど書いていいのかな?いい?いいよね?間違いでも先輩なら許してくれるよね。

 ってことで再度――


『私、芦屋――」

「――おい!――おーい――――」


 ――うん?なんか聞こえる――?聞こえるよね? 

 ちょ、私が最後の力を振り絞って遺書を残そうとしているのに誰?

 って――なんか頭がぐるぐる――ぐるぐる――ちょ、酔う――。

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