絶望住宅の内見
まめでんきゅう–ねこ
絶望住宅の内見
住宅の内見へ来た。
俺の名は
今、とてつもなく家が欲しい時期なのだ。
なんか良い家ねぇかなぁって。
不動産のホームページで探しているのだが……、なかなか良い家が見つからない。
「お」
思わず声に出してしまった。
なんだこのホームページ………。
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◇すんばらしい お家です◇
豪邸……それはロマンの塊。皆んなの夢、憧れ。
あなたも豪邸に住んでみませんか?
エンジンシティ商会
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…………なんだこりゃ。
豪邸…………。
一瞬戸惑ったが、なかなかロマンある話だ。
やってみようか?
と思ってた時期が俺にもありました。
こんな怪しいヤツ、絶対何か裏がある。
やめておくか…………。
と思ってた時期が俺にもありました。
その豪邸とやら がなかなかヤバかった。
………1億5000万平米。
最初にも言ったが、俺は今めちゃくちゃ家が欲しいんだ。
こんな広い家なら、俺の好奇心を刺激してくれるはずだ。
早速俺はこの住宅の内見に行ってきみた。
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ここが例の豪邸だ。
山奥にある。俺は都内住みだが車で5時間かかった。
赤い壁と黒い家根で構成されている。
門がある…すご。
だが、なんと門はすでに開いていた。人もいないだろうに…え、なぜ?
まぁ閉め忘れたと思おう。
さっきから風が強いし、もしかすると風のせいかもしれん。
早速 中へ入ってみよう!
ここか…整備された庭園を抜けると豪邸の中へ入れた。
玄関ホールは薄暗いものの、その広さが嫌になるほど わかる。
なるほど、豪邸は おはよう から おやすみ まで広いのか。
もう買いたいが…まぁまだ見ていこう。
こんな広いと迷いそうだが…今日はあいにく不動産の人がいないんだ。
代わりに自由に見て良いらしいが…なんでだ?
こんな事あるのか…??
まぁ良いか!!
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長い廊下を抜けると、食堂らしき場所に着いた。
なんかの魔法の映画で見たのか既視感があるが…正直 こっちも中々広いぞ。
今日は曇天だから暗いが、晴れの日はきっと気分の良くなる事であろう。
そして少し進んだ先には、植物を育てている部屋に出た。
なんかすごい…俺は詳しい人間ではないものの、すごい のは わかる!
上を見上げるとガラス張りになっている。
日光をたくさん浴びているのだろう。
風が部屋の中にまで入ってきて、木々が揺れるが、それもまた良いな!
俺はスマホで撮影して、親に送った。
「良い家見つけた
植物も育てられるっぽい」
「へぇ良いじゃん。もっと見せて」
この後、ちゃんとトイレも確認したぞ。
やっぱトイレには特に金使うよなぁ!
ウォシュレットは完備…それに加えて個室は15個、個室以外は25個もあるんだ!
さすがにまだ使わないが…ヤバかった。
興奮してすまない。
ただ、ちょっと肌が痛くなるんだよなぁ たまに。
なんでなのかね?乾燥しているのだろうか?
おまけに風が強いし…ちょっとそこは残念だったな。
ま ええけど。他が良いからね。
「トイレすごい」
「おお広い!めっちゃ高そうだけど良いの?」
「金は余るほどあるし、問題無いと思う」
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さらに寝室へやって来た。
ベッドがデカい…終わり。
巨大ウォークイン・クローゼットや露天風呂とかあったし、ベランダはベランダと呼べるのか不安すぎるほど広いし。
まだ理解可能なのがベッドしか無かった。
「ヤバくね?露天風呂あるんだよ」
「すごい ため息しか出ない。頑張って👍」
風呂も旅館かと言いたいくらい広い。
檜から大理石まで様々な風呂があった。
服を着ているのがバカらしくなってきたのは生まれて初めてだ。早く入りたい…!
「なんか怖くなってきたw」
「えぇ⁉︎すごいな!」
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こうして豪邸の中は全て見た俺は、玄関ホールで自撮りしていた。
もう買うつもりでいるため、記念撮影をする。
そしてそれを親に送った。
「へえ広い玄関だとこ」
「だよねw風が強いのと肌が痛くなる事くらいしか欠点が無いw」
「あねぇ不動産の方に聞いて欲しいんだけど、掃除ってやりやすいの?」
「ごめん、今 不動産の人いないんだ。
なんか今日は自由に見て良い代わりに俺1人だけっぽい」
「え、でもさっき あなたと一緒に誰かいたじゃん。写真に写ってたよ?」
「え、それ多分 自撮り…」
「いや、植物を育てている部屋にもトイレにも寝室にも お風呂にも あなたと一緒にいたでしょ!
鬼みたいな仮面被った人が!友人?」
「いや、俺1人でここへ来たが…?」
「えぇ?」
「ど、どんな人?」
「緑の鬼のお面被った男の人!手に刃物みたいなの持ってたけど…?」
「わかんない」
俺は周りを見てみた。
…いや、やっぱ誰もいねぇよ。幻覚じゃねぇの?
「たぶん見間違いじゃない?
すまんけど返信できなくなる。
けいたいの充電がヤバい。
てもと にも何も無いからさ」
「はーーい👍」
ズシャッッ
絶望住宅の内見 まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko
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