ep.4 恐怖のサイン
「チュッパさんがどうして生きてるのか?
知らないわ、でもすり替わったのよ」
「代わりに誰かが死んだというの?
とても考えられないわ」
Haruの怯えた瞳は揺れていた。
「マスクを被ったオジサンよ
同じ体格の人が居たのよね
でも出所でも入院でもなく、突然姿を消したわ。
それは揉み消された
ゆずさんが今こっちを見てるわね
そう、あの人よ。」
ゆずは曇った窓のブラインドを軽くゆっくり折り曲げた。
点を散りばめるように、同じような箇所を何度も…
「何してるのかしら?」
あゆりは首を傾げた。
「退屈ほど億劫なものはないもの。
退屈は億劫になるほど退屈なのよ。
退屈に退屈するなら立派よね」
「あゆりさんの言葉は深い!」
げんのすけはむしゃむしゃ林檎を齧りながら言い放った。
「あれ点字だわ!私の子供は目の病だったから分かるわ!あれは…」
Haruが思い出を紐解いていた。
盲目の息子との時間…
あの日に起きたこと…
「ほんだなさかさま」
モモカが先にブラインドの点字を解読した。
本棚に逆さまになっているのは…
一冊の小説。
「百花社長の脱獄計画」?
漢字が違うが今の状況のようで皆が一瞬笑顔になった。
しかしそんな場合ではない。
ゆずが緊急に伝えたかったこと…
"こいつが犯人"
ただの落書き??
「ふざけやがって…」
げんのすけは本から目を背けた。
"こいつが犯人"
丸が付いていた名前は
"山本源之助"…
続く
百花社長の脱獄計画 あくしす @akuakuakuaku
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