ep.2 令嬢主催会議 Ⅱ

「私の予想だとね…」

モモカの視線はHaruに向かった。

Haruには秘密があった。


「あんた、昨日の晩居なかったね?」

「モモカちゃん…」


Haruは悟られたと思い話し始めた。


「昨日の朝からずっと体調が悪かったの。

それでスタッフに言ったわ。

"今日は仕事は休ませて欲しい"ってね。

それで休憩室に行ったの。

その窓から…」


「いるはずのない人が居たのよね?」

モモカの予想は当たっていた。


「そう!チュッパさん。

あの日処刑されたはずの…

でもたしかにチュッパさんだった…

それでまた休憩室から見えるかなって。夜に…」


一同は顔を見合わせて、恐怖を濁らせた。

チュッパはチュッパチャプス万引きの罪で死刑を宣告され、処刑されていた…


「あれだって冤罪のはずよね?

チュッパさんは甘いもの嫌いなのよ」


あゆりはついに口火を切った。

あゆりは寡黙なことで有名だった。


「一番怖いのは事実じゃない何かよく分からないものを飲み込むことなの。

それが甘いキャンディでもね。

チュッパさんは気の毒だわ」


「でも違うやつの仕業なのよね?」

Haruは肩を持つように言葉を重ねた。


モモカは話し始めた。

「そして死んでいないのよ。

分かる?異様に一箇所に家具が敷き詰められた大部屋の配置。

それになぜ監視員が夜になると同じメンツが抜けるのかしら?

あなた達、疑問に思わないの?」-


続く

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