第25話 発見

 翌日、ダンジョンスクールに行きながら考える。


 まずはどこまで、調査が進んでいるのか考えなければならない。


 第一、どうしてエイラムはぼくを探りに来たのか。


 それは疑っているから?


 疑っているなら初めから尾行なりなんなりをしていたらいい。


 そうしたらぼくが人工ダンジョンを作っているところを見つけられたはずだ。


 では何故、それをしなかったのか。


 それはまだそこまでの疑いではないから。


 もしくは容疑者が多いから。


 だから、容疑者全員を尾行する余裕はなく、可能性のある者に探りを入れた。


 そう考えることができる。


 つまりまだそこまで絞り込めていないのだ。


 しかし、昨日の探りでエイラムはぼくの疑いをどこまで高めたか...


 何か対策が必要か...?


 と、そこまで考えたところで、学校についた。


 とりあえず、ダンジョンマスター活動はお預けだな。


 ーーーーーー

 ダンジョンスクール帰り。


 ぼくは、まず街の、ブタノダンジョンに来ていた。


 このダンジョンは、ぼくもよく知る、ブタしか出ないダンジョンだ。


 何故ここに来たのかというと、尾行がいるか確かめるため。


 このダンジョンの3階層は、迷路になっていて、狭い通路がいくつもある。


 そこでぼくについてくる人がいないか、確かめようと思うのだ。


 ブタを倒しつつ、先に進む。


 すると、4階層への階段の少し手前に、ちょうどいい一本道を見つけた。


 ぼくは一本道の奥まで進み、右に曲がる。


 そして十秒ほど数えたら、一本道を引き返してみた。


 するとその一本道の真ん中あたりに、ダンジョンアタッカーらしき男が一人、小走りでこちらに向かってきていた。


 見たことない顔だ。

 彼はたまたまいた、ただのダンジョンアタッカーか、それとも、ぼくを尾行してきた調査局の人間か。


 どちらかわからないが、ぼくは会釈をして、彼の横を通り抜ける。


 そして、途中でまた引き返すのも変なので、ダンジョンの外に出て、近くのベンチに座り込んだ。


 これでさっきの男が出てくれば確定だが、どうか。


 流石に追ってこないか...?


 万一、外で見張っている別の人間がいることも考え、ぼくは武器を取り出し、手入れするふりをする。


 できる限り、時間をかけて、カバンの中にあるタオルを探したりしながら...


 そうして粘ってみると、ついに男が出てきた。


 ぼくは口元がニヤつくのを抑えつつ、手入れを早々に終わらせて、帰路についた。

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