第12話 ダンジョン堀り
森の中でぽっかりと開いた洞窟を見つけた後。
洞窟の近くにダンジョンの掘れそうな硬い岩盤を見つけて、ぼくはそこを少しずつ掘り進めていた。
現在の進捗状況は半分ほど出来上がった辺り。
このダンジョンのコンセプトは、デコボコしていること。
道が平坦ではなく、人の高さほどの段差で、上に上がったり、下に下がったりしなければならない作りにしている。
ところどころに深い段差を作って、ロープを使用しないと戻るのも一苦労、といった具合である。
実はこの世界のダンジョン。不思議なことに、こういう、ロープを使うほどの深い穴のようなものはない。
あるのかもしれないが、ぼくは知らない。
何か制限があるのか、それともこの作りだとなにか問題があるのか...
ともかく、せっかく作るのだから、既存のダンジョンとは違う形にしてみた。
手作りだと、既存のダンジョンのように階段を作って何階層も、というのはしんどいので、都合が良かったりもする。
しかし、このダンジョン。思っていたよりも作るのが大変である。
攻撃力アップでどんなに硬い岩盤でも、穴は掘れるが、掘った分の土や岩を外に出したり、形を整えたりしているので、かなり時間がかかる。
一応、今は崩れていないが、いつ崩れるか知れないし、
有毒ガスとかそういうのも怖いので、酸素ボンベを装着して作業するのだが、それだと動きにくくていけない。
お金もかかる。
一度、地下に溜まっていた水が、砕けた岩盤の隙間から吹き出してきたときは焦った。
水量が少なくて事なきを得たが。
ともかく大変だった。
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更に他の問題も残っている。
そう。モンスターの問題である。
ダンジョンモンスターをどこから連れてくるのか。
問題が山積みだった。
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