第7話 別日
ダンジョンを作る場所を探すため、今日も今日とて森に入る。
今日はいつもより奮発して、奥の方へ来た。
森は、地形が不安定で、ガタガタしている。
上に登ったり、下がったりで、それも坂ではなく段差になっているのだから困る。
そんな中、目の前の草むらから、ガサゴソと音がする。
ぼくは立ち止まって様子を見ていた。
またブタだろうか。
しかしその予想に反して、出てきたのは黒い、大きなクマ。
クマはじっとこちらを見ている。
モンスターなのか、そうじゃないのか。
どちらにしてもやばい。
ぼくはゆっくり後ずさった。
クマに背を向けて逃げてはいけないと聞いたことがあるからである。
ついでに先ほど拾ったきのみをそっと地面に落とす。
しかしクマは、それに見向きもしないで、ぼくが息を吐いたのに合わせて、
突っ込んできた。
ブタと一緒である。
ぼくはハンマーを振って、突進してくるクマの側面に当てた。
避けたほうが良かったと思う。
これでクマが吹っ飛んでくれなければ、クマの突進を食らっていたのだから。
しかしブタの突進をそうしていた癖で、そうしてしまった。
幸運なことに、攻撃力アップの効果は絶大で、結果的にはクマの突進は殴られた衝撃で横に逸れ、ぼくは間一髪スレスレで助かった。
クマは左後ろの木に、勢いのままぶつかりフラフラしている。
その隙にぼくは逃げ出した。
ーーーーーー
そしてまた別の日も森に入り、ダンジョンを作る場所を探す。
その日は少しめぼしい場所を掘ってみた。
森の奥の、少し開けたところである。
まず下に掘って、その後、横に掘り進める。
ぼくの攻撃力アップがないと掘れない硬さ。
中々期待できそう。
入り口に入りやすいように、斜めになるように掘る。
そしてその後、横に掘り進めていった。
少し掘ってみたが、崩れる様子はない。
体入れずに、スコップを伸ばしてやっと届くぐらいの長さを掘った。
上に戻って、掘った横穴の上あたりを、ジャンプしてみたり、歩いてみたり、叩いてみたり。
そうしていると、ジャンプした拍子にドサリと崩れる音がした。
やはり駄目か...
ぼくは下に戻って、穴が崩れているのを確認するのだった。
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