第6話 授業
「皆さんご存知のとおりだと思いますが、ダンジョンはダンジョンマスターを倒したとき、つまりダンジョンを攻略できたときが一番資源を得られます」
最初の授業は、ダンジョンと社会の関わりについての授業だった。
「ダンジョンはすぐに近くに復活するので、なくなる心配はありません」
「だから、ダンジョンはどんどんと攻略されていくべきなんですね」
先生がそこで言葉を切る。
「しかし、最近は難しいダンジョンが増え、攻略が滞っているダンジョンもあります」
「皆さんには是非、そんなダンジョンを攻略できるぐらいのすごいダンジョンアタッカーになって欲しいですね」
みんな知っていることだからか、少し退屈そうだったが、ぼくはダンジョンに一歩近づけた気がして面白かった。
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2つ目の授業はダンジョンの仕組みについて。
「ダンジョンの出現とともに魔力の渦が生じる」
「どうして生じるのかと言うと、空気中の魔力がダンジョンを作るために消費されるから、その消費された空きスペースに魔力が流れ込み、渦ができる」
「つまり、空気と似たようなものです」
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3つ目の授業は、ダンジョンの攻略方法について。
これが一番、ぼくとしては参考になった。
ダンジョンを攻略するためには、ダンジョンマスターを倒す必要があるのだが、ダンジョンマスターはどこにいるか。
答えはわからない。最後まで隠れているダンジョンマスターもいるらしいし、逆に1階層から出てくるダンジョンマスターも過去にはいたらしい。
ただ、ダンジョンの最後の階層を攻略すると、どこからともなくダンジョンマスターが現れる。
だから、とりあえずダンジョンを攻略して、ダンジョンマスターを呼び出すのがセオリーだそうだ。
ぼくが作るダンジョンはどうしようか。
どこからともなく現れるなんて、ぼくには不可能である。
それに、見つかったら死んでしまう。
ダンジョン作成が大変な代わりに、既存のダンジョンの縛りから外れているのがぼくの強みである。
ダンジョンを攻略されても、出ていかないようにしようと思った。
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そして、実技の授業。
まずは基礎ということで、ランニングや筋トレをした。
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そんな授業が一週間ほど続き、ついに学校のダンジョンでの実習が行われることとなった。
学校のダンジョンは超ミニサイズで、階数は2階層。
モンスターはブタしか出ない。トラップはなしの、本当に簡単なダンジョンである。
ダンジョンマスターはいないらしい。
ということは、このダンジョンはもしかしたら、ぼくのようにダンジョンマスターでないものが手作りしたものなのか、学校が用意したものなのか...
わからないが、とりあえず実技授業が始まった。
中のモンスターは5時間毎に復活するので、一日一班、順番に挑んでいくらしい。
ぼくの班は1組目である。
同じ班になったレックスがじゃんけんに勝って、そうなった。
「じゃあ、しっかり自主トレしとけよ」
先生が他の班の人達にそう言って、ぼくらはダンジョンに入っていった。
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結論から言うと、ダンジョンは簡単だった。
試験と違うのは先生が指示を出したりしないこと。
といっても試験と同じく、危なくなったら手助けしてくれると言っていたので、結局は同じことである。
試験でも、試験官の出番なく終わるようなダンジョンなのだから、
ぼくらは普通に交代でブタを狩って、楽々と進んでいった。
少し試験の時よりモンスターが多いか?というぐらいだった。
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そして、家についたのは17時頃。
簡単だったとはいえ、少し疲れたので、今日は森に行かず、家でゆっくりすることにした。
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