第4話 急遽! カメラの前で生着替え⁉︎

 それからしばらくして、リスナーから一つのリクエストが来ていた。


『スク水ご奉仕プリーズ! できれば甘々シチュエーション』


「あ、甘々シチュエーションだと⁉︎」


 ふざけるな、これはあくまで俺の幼少期に食らったいじめの報復なのだ!

 甘々になってどうする⁉︎


 きっとリスナーは「女の子相手にひどいことなんてできない」と思っているのだろう。

 それはそれで人間として正常な判断である。


 だが俺は、同級生の前でパンイチを晒された過去があるのだ。


「——そうだ。こうしよう」


 目には目、歯に歯を。

 カメラの前で生着替えをしてもらおうじゃないか。


 万が一、タオルが取れてポロリをしてしまっても自己責任だ。そもそもおれはポロリどころじゃない醜態を晒されたのだ。


「くくくっ……琉衣、今からお前にスク水生着替えをしてもらおうと思う」

「な、生着替えですって⁉︎」

「そうだ。だが俺も鬼ではない……バスタオルを一枚支給してやる。それで上手く着替えて見せろ!」


 まぁ、無理だと思うけどな!


 何故なら琉衣のバストはEカップ。

 とにかくデカいのだ! そんなオッパイお化けをバスタオルで隠せるわけがない!


 もしかしたら通報される可能性もあるが仕方ない。俺はやる!


「それなら私も要求するわ! 慶太くん、この正装タキシードに着替えてもらうわよ!」


 ………はァ?


 何で俺がお前の言うことを聞かなければならないんだ⁉︎


 主導権は俺! 全部俺に権利はあるはずなのに?


「さっきメイド服を取りに帰った時に持ってきたのよ! ドSご主人になりきってもらう為には必要不可欠よ!」


 うぐっ、確かに絵面は必要だ。

 だが腑に落ちない。何で俺が琉衣の言うことを聞かなければならないのだ。


「そして慶太くんにも生着替えを要求するわ! 慶太くんは真っ裸になるわけじゃないから、タオルは必要ないわね」

「ぅおい! それじゃ俺は下着姿を晒す羽目になるじゃねーか! 異議あり、納得できない!」


 ——いや、アリ! アリ寄りのアリ!


 ——萌える! 永久保存版! ポロリを希望する


 ——KEIたんのパンツ姿(ハァハァw)


 おい、リスナー‼︎

 だがここで引くわけにはいかない。


 言い出しっぺは俺だし、何よりも琉衣の生着替えよりもリスクはないのだ。


 男の俺が逃げてたまるか!


「や、やってやろうじゃんかよォ……! 琉衣、もし俺がちゃんとしたら、お前もヤレよ?」

「望むところですわ! でもその前に慶太くんの生着替えを刮目させてもらいますわ!」


 くそぉー、誰が野郎の生着替えなんて見たいんだ?


 こんなの、何も怖くねぇし!


 だが服を脱いで、デニムも脱いだ時、何やら異変が……。


 炎上レベルでコメントが溢れている⁉︎


 ——KEIの乳首……エロ♡


 ——少し恥じらいを捨てきれない表情が堪らん!


 ——もっともっともっと!


 お、俺は男なのに……?

 何でこんなに盛り上がっているんだよ⁉︎


「や、やめろ……! 俺をそんな目で見るな!」


 耳まで真っ赤に染まっていく。あまりの羞恥心に必死に涙を堪えた。何で俺がこんな屈辱を味わなくちゃいけないんだ⁉︎


「あァん……、素敵ですわ慶太くん♡」


 少し離れた場所で見ていた琉衣も光悦した表情で唇を濡らして……ハァハァと荒れた吐息を漏らしていた。


「もう我慢できない……私も、すぐに脱ぎますわ!」


 ボタンを一つ一つ外して、メイド服を脱ぎ捨て出した。ポロンと溢れたメロンのような果実に、思わず凝視してしまった。

 下着姿なのに、なんてご立派——!


「って、待て待て! 琉衣、お前はちゃんと隠せ! カメラの前だぞ⁉︎」

「もう裸族大歓迎ですわ! そもそも私、家では全裸で過ごしていますのよ⁉︎」


 知らんし、その情報!

 そもそもプライバシー完備の家とカメラ前を一緒にすんな、この馬鹿野郎!


 琉衣が全裸になりかけたその時、タオルを投げつけて大事なところを隠し、その一方で画面をオフに切り替えた。


 か、間一髪だった……!


「って、おい! 琉衣、お前なぁ! カメラの前で全裸って何を考えているんだよ! こう言うものはデジタルタトゥーとして一生残るんだぞ⁉︎」

「え、何ですの?」


 振り向いた瞬間、はち切れそうなスク水を着た琉衣が目の前に立っていて——思わず俺の息子も一緒にお勃ちになられてしまった……。



 ———……★


 これのどこが健全なエロなんだろう……(笑)——続く⁉︎

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る