第17話 ホタルvsベディゴキア①

 



 雷砲!!




 こっちに向かっていたベディゴキアに先手必勝というように、雷砲を撃ち出したが、普通のGでは出来ない横移動によって避けられた。


 なっ、避けられたぁぁぁぁぁ!! ーーーーーむ、戦わないんじゃなかったかって?

 こっちの居場所が何故か、バレていたし隠れても無駄だとわかったし、出口もアイツの後ろにあるし。

 なら、戦うしかないだろ。ってか、アイツは横移動出来んのかよ……


 前にしか進めないイメージだったが、Gとは身体の作りが違うのだろう。




 ギュオォォォォォーーーー!!




 ホタルの姿を確認したベディゴキアは威嚇するように鳴いた。鋭い歯が覗いていることに相まって、喰う側と喰われる側が決定されたような感じがした。



 こえーよ!

 これが、化け物の片鱗だと思えねぇ…………


 この洞窟には、目の前にいるベディゴキアよりも化け物らしい化け物がいるし、HPからこの敵はまだ弱い方だと思える。ステータスでの強さはHPしか見えなかったが、そこまで見えたなら、強さはそんなに離れてはいないのは推測出来る。もし、一段、二段と強さが離れていたら、名前さえ見えなかっただろう。

 あのギガゴキーボンから進化したなら、まだ弱い部類なのは仕方がないが…………




 ギュオォォォォォーーーー!!




 くっ! 自分が相手よりも強い要素はなんだ……!?


 ホタルは考える。

 ホタルがベディゴキアに勝っている所はーーーー



 1.独り言を一瞬の間で、長文で話せる!(頭の中で)


 2.攻撃技を持たないスキルが多い!!


 3.逃げ腰な所!!



 ってぇぇぇ!! ちょっと待てよ!?

 最後のは強みでさえもないわ!!

 どれもこの場を切り抜けるキッカケにならないわぁぁぁぁぁ!!


 自分で考えたことにツッコミを入れるホタル。その間は現実では一秒も経っていない。

 ホタルの強みをあえて言えば、頭の回転が速いところだろう。前の世界で天才と呼ばれていた理由は、初めにホタルが言っていたように、退屈を紛らわせるために、色々なことを経験してきたーーーーと説明したと思う。

 だが、それだけではなく、頭の回転が早いお陰で、思考してから答えを出すのが早い。まぁ、全てが正解の答えではないが、早く答えを出せることに、皆より有利な状況を掴めていた。


 だが、ホタルはこの類い稀なる能力に気付いてない。ただ、皆より沢山考え込んで答えを出しているだけだと思っているアホの子でもある。


 天才と阿保は紙一重と言うのは、ホタルを見れば、間違ってはいないと思う。

 そんな評価を得ているホタルは、攻撃技がないスキルでなんとか頑張っていた。




 雷砲、雷砲!

 雷砲ーーーー!!


 遠距離攻撃の雷砲で、近付かないように気を付けていた。

 ベディゴキアの力がわからないまま、近付くのは危険だと判断したからだ。さらに、口から出てる涎にも触れないようにするためのもある。

 ホタルは雷砲を飛ばす中、ベディゴキアも酸のような涎を飛ばしていた。



 ペッ、ペッ、ペッ!



 擬音だけを聞くと、ダメージを受けなさそうな気がするが、それは気のせいである。

 涎はホタルに当たらなかったが、周りにある岩や地面を溶かして、穴が所々と出来ていた。




 穴ばかりにして、足場の邪魔をさせるつもりかよ!?

 いや、魔物がそこまで考えて動くか…………?


 頭が三つもあるから、三つの脳があって、お互いが繋がっており、思考能力が上がっている…………そういう可能性も捨て切れない。

 とにかく、凸凹だらけにされて動きにくくなる前に決着を付けたいとこだ。




 新しい技、『雷脚』で決めてやるぜ!!

 雷脚ぅぅぅーーーーーーーー!!


 ホタルは雷脚を発動しながら、ベディゴキアに突撃したーーーー





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