第11話 整理整頓

 


 ようやくホームの片付けが終わった。ただ石を放り出しただけだがな。

 入り口を隠す物がないのは仕方がないし、危険察知に期待すんぞ!!

 さて…………


 ホームを手に入れ、落ち着いてきた頃。

 ホタルは内容がわからない『疾風Lv1』のことが気になっていたが、わからないことをいつまで考えても仕方がないので、わかることを整理してみた。


 まず、此処は何処か?


 解析で壁や天井を調べたが、まだ『壁』、『天井』しか出ない。

 場所は不明だが、推測ではただの洞窟ではなく、よくあるテンプレのダンジョンだと思われる。

 パクパク

 化け物みたいな魔物もいるし、しばらく歩いても外へ出られる気配もないぐらいに広くて、綺麗に作られているように見えたからだ。

 地面は凸凹としていなくて、平らになっているから戦いがあっても困らなそうだけど……


 次に、自分自身のこと。


 強さは間違いなく、弱い部類に入るのはわかっている。ララットに勝ったといえ、ステータスはララットの方が高かったのだろう。壁を少し凹ませる時点で、力が高いのは確実だ。

 ムシャムシャ

 雷獣の技は、まだ麻痺させる状態異常技と磁力の効果である特殊技しかないが、まぁまぁ役に立っている。

 次は攻撃技が欲しいところだが。

 ステータスにはまだ出てないが、今わかるスキルは6個になる。

 雷獣、解析、気配操作、危機察知、HP上昇、疾風のスキルだ。もしかしたら、危機察知みたいに初めからあったスキルもあるかもしれないが、今の時点では調べる方法はない。

 ゴクッ、……パクパク




 …………え、説明をしているのに、何をしているのかって?

 そりゃ、食事だよ。

 SYOKUZIだよ。わかる?

 ロボだから食べれないのではって、腹減ったからに食べるに決まっているだろ!

 何故か、戦いが終わったら腹が減って、食の欲求が出たんだよ。自分の推測でしかないが、雷獣の技を使いまくったから腹減ったんじゃないかと思っているわけよ。


 前に皇女様が言っていたことを思い出した。この世界にはスキルがあり、人間だった頃の身体にはスキルを使うための原動力である気力がないと。

 つまり、雷獣=スキルを使ったことで、今のホタルは煉気を使ったことになる。自分の身体にある煉気が少なくなったから補充をしろとサインが出て、それが食の欲求ということではないかとホタルは考えている。


 まぁ、今はゆっくり食べさせろよ。

 このネズミ、意外にも美味しいんだよな。なんか、豚肉に似ているんだよな…………


 普通のネズミやスモールララット、ララットなどの魔物も口にしており、味はそんなに不味くはなかった。見た目に食べるのに勇気が必要だったが、一口食べたら、そんなことは気にしなくなっていった。

 生肉そのままだが、ハムみたいな感触で味は豚肉ときた。

 どんどんと食べている内に、気力が回復しているのを感じられた。


 このネズミが美味しいなら、他の魔物はどうなんだろ?

 期待出来そうだな…………

 あー、これからどうしよう? 退屈はせずに済むそうだけど、目標があった方が良いんだよなーー


 皇女様と会う約束をしたけど、必ず守らなければならないわけじゃないし、会ったら会ったで何をされるかわからないから、会わない方がいいかもしれない。


 うーん、今はレベルアップを続けながら、やりたい事を見つけた方がいいかな?


 先程、外はまだ出ないでレベルアップのためにここに残ると決めたから皇女様に会うことがあっても、それはずっと先だなと思いつつ、ゴロゴロしながらネズミを食べていく。




 うめぇーーーー






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