第8話 ネズミ狩りじゃー!
形状しがたいの化物が過ぎ去り、ホタルはしばらく倒れてから化物の進んだ反対側の道へ進んでいく。
化物がいる方向へ進む程の酔狂ではないので、安全第一に反対の道へ。
アレはヤバかったな。早くレベルアップして強くなってから…………
ホタルは言葉を切った。普通ならこんな化物がいる洞窟から早めに出ると考えるが、外の方が安全だと決まってないと思い付いた。
もしかしたら、外の方が危険な魔物がいるかもしれない。このまま、この洞窟に留まって、強くなっていく方がいいかもしれない。
あー、平均の強さがわからないと下手したら、この世界の人間はあの化物よりも強いかもしれねー
だったら、よくわからない外に出る方が危険だな。
なら、今の俺がやるべくのことはレベルアップをすること。
今のホタルに倒せる相手がいる。それはーーーー
ネズミ狩りじゃー!!
そう、今まで倒せたのはネズミ。会ったのはネズミと化物しかいないから、ネズミを狙うのが一番だろう。
そのネズミでもレベルアップ出来たのだから。
ネズミ狩りじゃー! と叫びながら、巣を探し回るホタル。現実の声はザー、ザーッへと変換されているが。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
見つけた!! それも、一つだけじゃない!!
そこは複数に分かれた道があって、その辺りには幾つかのネズミの巣が作られていた。レベルアップしたいホタルには嬉しいことだった。
早速、一つずつ掘り進めていくと殆どは母親っぽいネズミとそれに添いよる子供。
だが、ホタルは躊躇なく首を折っていく。中には子を守ろうと親が前に出るネズミもいたが、肉球パンチで散らしていく。力はまだ弱く、パンチをしただけで死なないので倒れた相手から全体重を乗せた踏み付けで首を狙っていく。
《レベルアップしました。サイバードルグはLv3からLv4になり、スキルポイントが増えました》
《スキルの経験値が貯まり、『解析Lv3』にレベルアップ致しました》
《レベルアップしました。サイバードルグはLv4からLv5になり、スキルポイントが増えました》
《スキルの経験値が貯まり、『雷獣Lv2』にレベルアップし、『雷砲』が使えるようになりました》
あと残った巣が一つだけになったとこに、レベルアップして雷獣の新たな技を手に入れたのだ。
よしよし、いい感じだ!
うん、『雷砲』? 名前から考えれば、攻撃技っぽいな!!
巣も一つだけ残っているし、早速、試そぉっと!
残った巣を掘り進めて行くと、一匹の小さなネズミ? がいた。
何故、ハテナが付いているのか。
それは、巣の中にいたのがネズミではなく、普通のネズミより小さくて角を持ったネズミがいたからだ。
…………む? ネズミっぽいが、あの角はなんだ?
解析、解析っと
レベルアップしたから何かわかるだろうと、解析を使ってみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
スモールララット
ーーーーーーーーーーーーーーーー
名前だけだが、確実に魔物だな。角が付いただけのネズミにしか見えなーーうおっ!?
いきなり角を向けて襲いかかってきたので、反射的に肉球パンチを喰らわした。ただのネズミとは違う魔物だったら肉球パンチだけでは倒せないと思ったが…………
ボキッ!!
あれ? 骨が折れたような音が…………
一瞬だけ自分の腕が折れたのかと思ったが、痛みはない。ロボに痛みがあるかわからないが…………
じゃ、さっきの音は何だったのか、ネズミの方へ見てみたらーーーー
首が変な方向へ向いて、ピクピクと痙攣しているスモールララットがいた。
うおっ!? ただ殴っただけで?
…………もしかして、この身体は力が強いとか?
ホタルは自分の手を見るが、柔らかそうな肉球がついたコチコチな犬の手にしか見えない。
材質から鉄には見えないし、ア◯ボみたいなプラスチックような感じがする。
んーーーー、よし。せーーのっ…………えいっ!!
壁に向かって、全力で殴ってみた。結果は痛かった。
痛ぁぁぁっ!? 痛い痛い!!
手は壊れていないが、痛みが脳へ到達して悶える。しばらく痛みが治まった後、自分の身体に疑問が沢山浮かぶ。
この身体はロボットとは違うのか?
何故、痛覚が……あ、視覚や嗅覚に聴覚もあるな。うーん、触覚もか。
ぷにぷにと肉球を押す感触を感じられた。
うーん、謎だ…………
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