第7話 ヤバイ!!
もしもしーー
クラスメイトの皆さんは元気しておりますかー?
生きているかまではわかりませんがねーw
こっち? もちろん、元気だよー。
子犬型のロボットみたいな魔物になってしまいましたが、まだ生き残っていますよー。
さっきまでは、逃げられたネズミを追いかけて探していたら…………なんと!! ネズミの巣を見つけたんですよ!?
中には大きいのが二匹と小さいのが五匹いたので、親子だと思います。
経験値のために、幸せな家族を壊していいのか? それはとっーーーーても苦悶したんですよ。
……五秒ぐらいはね。
そして、ネズミの家族全員を食い殺しちゃいました♪テヘッ
だって、経験値が欲しいし。ネズミしか狩れないし!
勿論、一匹残らずやっちゃいましたので、後から復讐劇なんて起こりませんーー!
ネズミの家族が犠牲になってくれたお陰で、レベルが一つ上がったよ。ヤッタね!!
残念ながら、スキルのレベルは上がらなかったけど、HPが1は上がったよ!! 少ねぇけどな!!
1だけとかふざけんな!
む、そこの人っ! まさか、ネズミの家族を殺したことに罪悪感を感じないとかゲスい奴だなとか思ってないよな?
ノンノン、そんな考えでは化物の巣窟では生き残れんぞ。強くなるために、殺しをして何がおかしい?
そんな殺しが出来ない甘ちゃんだったら、一先に強者の餌に成り下がるだろうなーーーー
俺? もちろん、自分に得があるなら自分自身であろうが、犠牲にしてやろう。そんな考えをする俺が他人なぞ…………いや、この場合は獲物だな。経験値を得ることが出来るなら、弱者である獲物を餌にするのに躊躇などはあるわけがない!!
理解したかぁぁぁ!?
ーーーーふぅ、これだけ喋れるなら落ち着いているだろうな。
え、何をしているのかって?
わからないの?
だったら、岩陰からそっと顔を出してみ? それで全てを理解するからよ。
どうぞ?
誰に言っているかわからないが、ホタルは岩陰に隠れているようだ。
ホタルは頭の中で独り言を垂れ流しながらも音を立てず、気配を殺してジッとお座りしていた。
《ホタルは『気配操作Lv1』を取得致しました》
新たなスキルを手に入れても、指先ほども動かない。それぐらいにホタルの生命は危機に迫っていたのだ。
ホタルが隠れている岩陰の反対側には…………
シュゴー、シュゴォォォォォーー
形容しがたいの化物がいた。
身体が丸く膨らんでいて、歩くのに不便そうな脚を引きずって手で歩いているように見える。動きが鈍そうだが、その変な音を垂れ流している口からは紫色の息が出ていて、通り過ぎたネズミが苦しんで、数秒で逝く程の威力が秘められていた。
なっ? わかったか?
俺が化物の巣窟だと言った理由を。
ネズミの巣を潰していた時、皇女に対しての危機が働いたように、嫌な予感がしたのだ。その嫌な予感を感じて、近くにある身体を隠せる岩場へ隠れたらーーーー
あの化物が現れたわけだ。
まさか、魔物が全くいなかったのもあの化物がいるからか?
解析であの化物を調べたかったが、まだレベルが低いから名前も見れない可能性があり、解析をしたせいでバレるのも怖い。
だから、何もせずに大人しく事が過ぎるまでお座りをすることに決めた。
俺はただの石…………道端の石っころだ。
《経験値が溜まり、『気配操作Lv2』がレベルアップ致しました》
自分の気配を希薄になるように本能で操作して、化物に気付かれないようにする…………
その五分後、ホタルは安全を確認出来て、疲れからか前のめりに倒れたのだった…………
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