第六話:魔獣ドラゴン出現!
いやいやいや!
そんな炎が木造建築、築三年のアパートで吐き出されたら大火事に成っちゃう!!
一瞬、火災保険に入っていたっけとか思っちゃったけど、それ所じゃない!
燃えちゃう。
死んじゃう。
大火事に成っちゃう!
「こなくそぉっ!!」
しかし前衛の前田さんは、何と装備したヘラクレスの盾で廊下いっぱいの炎を受け止めた!?
そして最後にはドラゴンの吐き切った炎をかなぐり捨てて、剣を引き抜き突っ込んで行く。
「前田さんっ!」
どう考えても一人じゃ無理だ。
ドラゴンなんて言ったら、人よりデカくて、頭が良くて、並の剣じゃ傷一つ付けられないってのが鉄板。
が、僕が見たドラゴンはそんな威厳のある魔獣の姿じゃなかった!
「あ、廊下が狭くてぎゅうぎゅうに詰まっている……」
ドラゴンは何と廊下にぎゅうぎゅに詰まっていて、身動き取れなかったのだ。
廊下いっぱいに吐き出された炎だって、連続で吐き出せる様ではないようだ。
ぶすぶすと鼻から煙を立てているけど、頭を動かすのも精いっぱいのようだ。
「いるのよねぇ~、体の大きな魔物だと身動きできなくなっちゃうのが」
「まあ、これなら仕留めるのが楽だがな」
福田さんと佐藤さんもそんな事言いながら首元に剣を差し入れている前田さんに続く。
福田さんは魔法を使って身体強化とか身体防御の力を上げて、佐藤さんは一瞬で移動してドラゴンの目を
前田さんはとうとうドラゴンの首筋に入れていた剣がトドメをさせたようで、ドラゴンは持ち上げて抵抗していた頭を床に落とす。
ど~ん。
「ふう、終わった。最初のブレスさえしのげればここではドラゴンでも楽勝だったな」
「まあ、他にも体の大きな魔物って現れても初手さえしのげれば何とかなるもんね♪」
「むしろ、ミノタウロスとか動けるやつの方が面倒だな」
前田さんや福田さん、そして佐藤案はそんな事を言っているうちに、ドラゴンはキラキラとした光の粒子になって消えて行き、宝箱をドロップさせる。
毎回思うのだけど、ここってアパートだよね?
もう気にもしなくなってきたけど、腕に自信のある人ならこうして魔物退治して稼げるから良いのかな?
ちなみに、あれだけの炎だったのに廊下は無傷で、焦げた所一つない。
あ、縛って扉の横にあったちょっとエッチないけない表紙の雑誌は少し焦げてたけど。
うーん、福田さんがいなければこっそりと僕が回収していたものを。
「さて、宝箱の確認は佐藤に任せて、他の者は近くの住民の確認だ」
前田さんいにそう言われ、近くの部屋の表札を確認する。
引き払った部屋が二つほどあったけど、ちゃんと看板がぶら下げられてたので、マッピングで記録する。
と、いきなり声を掛けられた。
「ほう、あのドラゴンを倒したか?」
僕たちはその声に思わず振り返るのだった。
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