第42話 戦闘後のお話

ゴブリンの巣からは総勢40名ほどの人が助け出された。



この村の人口よりもまさか多いだなんて。

正直驚きだった。



もっと放置していたらどうなっていたことやら。

でもとりあえずみなさんを無事に救出できたことを喜ぼう。



みんなケガをしていたので、スライム3兄弟に治して貰って、服も着替えさせて、小屋で寝て貰っている。



みんなゴブリンに誘拐され、ゴブリンの武器を作らされたり、その他いろいろやらされていたようだ。



・・・中には表現したくないようなことをされていた子もいた。



だいぶ衰弱しているので、村でゆっくりしてもらう。



僕達に保護されて安心したのか、泣き始めてしまっている子もいた。



うん、そうだよね。

こわかったよね。



でも、もう大丈夫ですよ。



温かい食事と、ふかふかのお布団だありますので、安心してゆっくりしてください。



数週間後。



みんな大分回復してきているようだった。



すでに元気になり始め、お礼として村のために働いてくれている方もいる。



村の人とはもう打ち解けてくれているようだ。

フェル達のことも怖がっていない。



逆にさわってもいいですか?

と人気者になっていた。



その中でも特にドワーフさんはかなり活躍してくれている。

さらわれてゴブリン達の武器を作らされていたのだとか。



村の装備の点検や、エーソンさんの魔道具製作のお手伝いまでしてくれている。



すごい技術だ。



完成度が段違いに良くなってくれている。

少しだけこの村に残ってほしいなとも思ってしまった。



おねがいだけなら、してもいいかも。

あとでしてみようと思った。



さらに数日後。



ポツポツと故郷に帰りたいと言う人達も出てきてきた。



これについては僕も帰してあげたいと思っている。



でも僕たちでは分からないので近くの町まで送り、そこで保護してもらうということにした。



一応、こちらの安全のために、いつも通っている町とは別の町に送る。



そして村の位置も分からないように、すこし遠回りで移動させてもらった。



猫人族の村の場所がばれたらどうなるか、まだわからないからね。



結局40人中、22人を町へと送った。



みんなありがとう、と安心した顔をしてくれたいた。

元気を取り戻しつつあってよかった。



ちゃんと戻れるといいですね。



そして残りの18人は村に残ると言ってくれた。



どうやらもともと一人で暮らしていたり、戻りたくない事情があるらしい。



みなさん優しい方だったので、快く受け入れることになった。



これで村の人口は約50人。

一気に大きくなった!



新しく家とかインフラを作らないといけないけれど、その分労働力も増えている。



きっとすぐにできあがるだろう。



そしてあのドワーフさんも、村に残ってくれるとのことだった。



おかげで色々品質の高いものが作れるようになっている。

思わぬ収穫だった。



みなさんに、この村に移住してよかったと思ってもらえるよう頑張ろうと思う。



村も狭くなってきたし、そろそろそっち方面の拡張も必要そうだね。



それに今回の件で、猫人族のやさしさも人間に伝わっただろう。



いつかここの村の人達が人と仲良く暮らせる日がきたらいいなと思いました。

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