第41話 平穏を取り戻す
「終わったわ。もう出てきて大丈夫よ」
サラさんの声で僕はホット胸をなで下ろした。
ゴブリン達の襲撃は無事に撃退できたようだ。
小鳥さん達を召喚してからすぐ、僕は彼らにゴブリンたちの動向を探ってほしいとお願いをした。
そうして彼らの巣を偵察してもらったらものすごい数のゴブリン達がいて驚いたわけだ。
奴らはこの村を責めるつもりだ。
偵察の件などからすぐに相手の意図は理解出来た。
だからこうして待ち伏せして一気に攻撃を仕掛けたわけだ。
小鳥さん達は本当に大活躍だった。
ゴブリン達に気づかれることなく彼らがどのくらいの数がいて、どこからどうやってこの村に向かってくるのかを逐一教えてくれた。
だから相手にゴブリンの魔法使いがいたことも、別働隊がいたこともすぐにわかった。
おかげで真っ先に魔法使いはサラさんに倒してもらえたし、村人も避難してもらって、安全にシルキーさんと衛兵さん達に別働隊を倒してもらえた。
フェルたちも大活躍だった。
ワームくんで地中から奇襲をしかけ、混乱しているところを一気に叩く。
前回とは比べものにならないほどいたゴブリン達だけど、みんなのおかげであっという間に片づいてしまった。
そしてサラさんもすごかった。
魔法で次々とゴブリン達を焼いていったのだ。
さすがに僕やラナちゃんと比べると、戦闘経験が段違いだ。
戦場でも冷静に指示を飛ばし、行動してくれた。
すごくかっこよかった。
うん、後は主力を失ったゴブリン達の巣を逆にこちら側が攻撃してしまえばいいだけだ。
悪いけれど、手加減はしない。
ゴブリン達の巣へはすぐに攻撃をしかける。
とはいっても小鳥さんに調べてもらった所、巣は少し離れた洞窟にあり、中にはゴブリンにつかまった人々もいるらしい。
無差別に攻撃はできない。
だから入り口を占拠して、エーソンさんにつくってもらった睡眠ガスを送る装置を置き、洞窟内に注入した。
そして小鳥さん達にゴブリン達が眠ったことを確認してもらってからフェル達と、衛兵さんたちに一気に突入してもらい、制圧してもらった。
捕まっていた人達は無傷で救出できた。
残りのゴブリン達は寝ているところをフェル達に倒してもらった。
ボスも、主力も、巣も失ったのだ。
もうゴブリン達は立ち直れないだろう。
もう村はゴブリン達に怯えなくていいんだ。
どうやらやっと平和になってくれたみたい。
うん。
少し残酷だけれども、敵対的である以上手加減はできない。
おつかれさま、みんな。
頑張ってくれてありがとね。
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